井原市立平櫛田中美術館彫刻家・武本大志(たけもと たいし)は兵庫県赤穂郡上郡町に生まれ、筑波大学で彫刻を学びました。大学を出た平成27年に日本彫刻会主催の展覧会・日彫展で日彫賞を受賞するなど、早くから注目を集めます。日彫展に出品を重ねつつ、個展など様々な場で精力的に作品を発表し、令和7年には倉敷芸術科学大学の准教授に着任しました。
武本さんは、奈良時代以来、仏像や仏具の制作に用いられた乾漆技法により、想像上の生き物である「妖怪」をテーマとした作品を制作しています。乾漆技法を用いた彫刻は興福寺阿修羅像や唐招提寺の鑑真和上像がよく知られています。現代では、粘土で原型を作り、石膏で型を取り、その内側に漆と砥の粉を合わせたものを貼り込んで成形します。木や金属と比べて軽く、自由な造形が出来るのが特徴です。
武本さんは、漆や木、彩色のための顔料など日本ならではの伝統ある素材を用いて、古くから伝わる民間信仰や妖怪文化を均整の取れた肉体美を基調として、優れた造形感覚で現代に生きる我々に再構築して見せてくれます。
武本さんの作品には恐ろしさだけではない温かみや親しみやすさ、愛らしい表情やユーモアがあふれています。平櫛田中も霊力を持つ存在である《鏡獅子》や鬼をモチーフにした《転生》をはじめ、《気楽坊》などユーモラスな彫刻を制作しています。
本展では、作品を見るだけではなく、作品に触れながら鑑賞することができ、彫刻をより分かりやすく体感できる展示となっています。
ぜひ展示を巡りながら、お気に入りの妖怪を見つけてみてください。
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