岐阜現代美術館前衛書から墨による抽象絵画表現を探求し続けていた篠田桃紅にとって、1956年から約2年間の渡米は、独自の抽象のかたちを見出す大きな転機となりました。日本の前衛書と欧米の抽象芸術が響き合い、芸術家たちが新しい表現を求める時代に、桃紅の水墨は高い評価を獲得したのです。しかし自らのかたちを手中にした一方で、墨や日本独特の風土と文化が、自身にとって必然的なものであることを再認識します。帰国し70年代に入ると、桃紅の内にあった日本の伝統や美が、研ぎ澄まされたかたちとなって作品に立ち現れるようになります。そのなかでも金や銀は抑制された水墨の作品とは異なり、洗練された装飾性を湛え、その上に描かれた墨線はより一層表情が豊かになり、時を経て移ろいながら深みを増していく銀の姿は、優美で繊細な日本の美意識を感じさせます。金や移ろいやすい銀を使うことで、光や時間を取り込むといった試みをしつつ、独自の表現を創造し続けていきました。本展では、墨の濃淡に金や銀を用いて多様な表現を試みた作品を紹介します。
[関連イベント]
1. ワークショップ 「金と銀に描く」
金と銀、それぞれのパネルに描き、二枚で一つの作品となるペアパネルを制作します。
日時: 2026年3月7日(土)13:00~16:00
会場: 岐阜現代美術館大地館
料金: 2,000円(当日、桃紅館受付にてお支払いください)
定員:10名
*申込多数の場合は抽選となります。後日メールにて結果をお知らせします。
申込締切:2月15日(日)
申込方法:美術館ホームページのお問合せフォームからお申込みください
2. 学芸員によるギャラリートーク
担当学芸員が会場を巡りながら展覧会を解説します。
日時:2026年1月17 日(土) 13:30~(1時間程度)
参加費:無料(入館には観覧券が必要です)
申込み:不要(桃紅館受付にお集まりください)
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