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[画像: Tomohito Ushiro, New nude 003, 2023, acrylic on canvas, 127.0 x 93.6 cm]

後智仁 「NEW NUDE」

まえばしガレリア Gallery 2
終了しました

アーティスト

後智仁
MAKI Galleryはこの度、まえばしガレリア ギャラリー 2にて、後智仁(うしろ ともひと)の個展「NEW NUDE」を開催いたします。

長年アートディレクターとして第一線を走り続けてきた後は、2022年12月に自身初の個展となる「Pointed」を弊社にて開催。彼のこれまでのデジタル創作から物質的な表現を持つ作品群への発展を可視化する新たな試みとなり注目を集めました。本展は後が継続的に探求し続けている写真を元に制作された平面作品シリーズ「NEW NUDE」と「Vague Portraits」より計8点、および立体作品の「Balloon」シリーズで構成されます。

平面作品のコンセプトは前回に続き「有機的な曲線上の点を減らすことによる直線化が起こす絵の崩壊とその段階」。具体的で完成されたイメージの曲線から点を減らすことで、そのイメージの持つ本来の具体的な意味や役割を曖昧にし、元とは全く違う役割を持つイメージを作るというものです。今回展示する「NEW NUDE」は、70年代のPLAYBOY、DERRIÈRE、BOTTOMなどの海外の成人向け雑誌ピンナップ写真を元に制作された裸婦画のシリーズ。「Vague Portraits」は、イギリス出身の気鋭の写真家Stephen Gill氏によるポートレイト写真を元に制作されています。いずれのシリーズも後が継続的に制作しているもので、今後も探求が続けられるであろうプロジェクトでもあります。作品には後が大いに影響を受けた海外からもたらされる文化やトレンドアイコンが反映されています。ペインティングの制作過程は、まずモチーフを選び、デジタル上でそのイメージを直線化することで元の役割を限界まで排除していきます。明確なコンセプトで構成された無駄のない画面と比例して、色彩はエアブラシによる吹き付けが何層も重ねられ、深く重厚な色合いとなりシンプルな構図とのバランスを保っています。一度画面全体をマスキングでブロッキングして各色を仕上げたのちに、各色面に再びマスキングを施し納得する色調になるまで同系色で吹き付けていくという工程を何度も繰り返します。極限までそぎ落とされたフォルムでありながら、果てしない回数の加色は後のペインティングとしての品格を保つことに成功しています。

一方、立体作品のコンセプトは「柔らかいもの、硬いもの」とされています。風船をモチーフとしており、硬いものに柔らかいものが挟れたり、押しつぶされそうになっていて、柔らかいものがギリギリのところで耐えています。物としての強さで言えば、この状況を続ければおそらく風船は割れてしまい硬いものだけが残るでしょう。しかし、そうなるまでは、この状況を見た人にとって主役は風船であり硬い部分はそれを引き立てる補助的な要素にすぎません。強さとは何なのか。それについて考えられた作品です。真実より噂が正しいとされ、派手さが正義に結び付くような、価値が混沌とする現代で本当の “強さ” についてジレンマを抱えるアーティストの心境を可視化したのです。「そこは自分でもはっきり整理できていないのですが、僕自身がプレッシャー中毒みたいなところがあるのではないかなぁと。常にプレッシャーがかかる方に引き寄せられている気がします。そういう意味では、風船は僕自身なのかもしれませんね」と後は語ります。

後のつくり出す世界観、そしてスタイリッシュな品格を備える作品を是非会場でご高覧いただければ幸いです。

スケジュール

2023年11月25日(土)〜2023年12月28日(木)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、祝日

オープニングパーティー 2023年11月25日(土) 18:00 から 19:30 まで

入場料無料
会場まえばしガレリア Gallery 2
https://www.towndevelop.jp/
住所〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-9-1 まえばしガレリア 1F
アクセス上毛電鉄中央前橋駅より徒歩5分、JR両毛線前橋駅北口より徒歩15分
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