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大﨑土夢 「制作の定理、ペインティングの真円」

Gallery Common
終了しました

アーティスト

大﨑土夢
Gallery Commonでは、6月7日から7月6日まで、大﨑土夢(おおさき・とむ)による個展『制作の定理、ペインティングの真円』を開催いたします。同作家にとって当ギャラリーで初の個展となる本展は、作家が長年にわたり探求してきた「絵についての絵」をユーモアと構造の両側面から表現する新作群を紹介いたします。

大﨑土夢(1984-)は、自身の経験や体験を通して得たインスピレーションから、さまざまなモチーフを選び、ひとつの画面内に複数の異なる技法が同居する絵画作品を制作しています。
ペインターとしての大﨑の仕事ぶりは、多数の作品を同時進行で手掛けることに特徴づけられます。それは、絵の具の乾燥を待つあいだ、次の工程に入るまでの「待ち時間」が生じる素材特有の性質と、頭の中で湧き上がるアイデアを画面につぎつぎ試してゆきたい大﨑の作家としての特質とが見事に合致、結実した結果と言えます。
モチーフをまるで散布するように画面に散りばめる行為を大﨑は《散布考》と呼んでいます。これは音楽用語で言うところのフーガ*のような状態です。
また、《交通事故シリーズ》と呼ばれる一連の作品には、運命を司る女神《クロートー》と大破する事故車両が同じ画面に描かれ、安定(重厚なギリシア彫刻)と不安定(高速道路でのクラッシュ)という相反する要素が同居します。

大﨑の作品を鑑賞/観察することは、さまざまな発見に満ちた「絵を見ること」本来の愉悦に他なりません。それは、大﨑の作品が「絵についての絵」であることと無関係ではないはずです。
ここで少し例を挙げましょう。絵の奥に描かれている「『背景』とされるもの」は手順的には最初に描かれるであろう(またそうあるべきであろう)という固定観念を大﨑は軽やかに覆します。ある作品では、手前のモチーフから筆を入れたかと思えば、そのすぐ奥側のものを描いて、と手順は効率とはまるで切り離されています。
これは「絵画の当たり前」を疑い、逸脱/逆行する行為である一方、大きな作品に取り掛かる前には、入念に小下図を制作するなど、先達のペインターたちが行ってきたルールに倣い、取り入れてもいます。

絵に向かう態度/姿勢は、逸脱や逆行を繰り返しながら、敷かれたレールをひたむきに踏み外す一方、慣習的な作法も踏襲するという、絵画におけるルールの内側/外側を行きつ戻りつ制作されます。作品が、別の作品にも登場する画中画をはじめとした《大﨑ユニバース》とでも呼ぶべき作品同士の関係性にもご注目いただきながら、ぜひご高覧ください。

*最初の音が流れている状態で次の音が鳴り始め、重なり、繰り返される状態。主題が他の音に規則性を持って模倣、反復されていくさま。

スケジュール

2025年6月7日(土)〜2025年7月6日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日

オープニングパーティー 2025年6月6日(金) 19:00 から 21:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.gallerycommon.com/ja/exhibitions/tomu_osaki_2025
会場Gallery Common
http://www.gallerycommon.com/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
アクセス東京メトロ半蔵門線・千代田線・銀座線表参道駅A1出口より徒歩6分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅7番出口より徒歩8分、JR渋谷駅B7出口より徒歩約9分、JR山手線原宿駅東口より徒歩約12分
電話番号03-6427-3827
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