これらの作品は、シラの代表作の一つであるフォトエッセイ「Point of Entry」と平行して撮影されました。 「Point of Entry」はW・ユージン・スミス記念基金とルクセンブルク文化大臣によるモザイク・フェローシップを受けて制作されました。北フランスのカレー、南スペインのセウタ/タリファ、EUの東側国境に位置するモルドバの三カ所を取材し、EUに流入する移民を追った作品です。
「Point of Entry」では移民を主役としていたのに対し、「Europass」では人々は目の前を通り過ぎていく風景の一部です。展示される作品の多くはシラの心象風景というべき写真となります。展示では、前回の「Caracas: Homecoming」と同様、大判プリント上に小さなプリントを重ねて貼り、ダミーブックを展示する予定です。瞬く間にスワイプし消費されていくSNSの写真ではなく、写真の前で立ち止まり、物体としての写真の束の「実物」を前にすることは、ヴィクター・シラの私的な旅に同行する貴重な体験になることでしょう。
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