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「もう一つの鼓動の重みと歩む」

Art Center Ongoing
終了しました

アーティスト

陳楚翹(チャン・チョウキュウ)、羅玉梅(ロウ・ユックムイ)、張小船(ボート・チャン)
ドクン、ドクン ドクドクドク ドクン、一人で歩き、二人で歩む。

「背中に重くのしかかる、もう一つの鼓動とともに歩めるのは、母だけだ」とディアスポラを生きる詩人オーシャン・ヴオン (Ocean Vuong) は書く。もう一つの生命と歩むとは、理想化された現代母性像で語られがちな、母子の生体リズムが同期することではない。むしろ、母と子はそれぞれの振動や息遣い、重みや揺らぎ、不規則なリズムを交差させつつ、時に衝突し乱れながらもやっと歩調を合わせようとしている。鼓動をいくつも抱える母の身体。そこには、充足と故障、補給と欠乏、愛情と暴力、喧騒と静寂がつねに渦巻く。

展覧会「もう一つの鼓動の重みと歩む」では、3名の女性アーティスト、チャン・チョウ・キュウ (陳楚翹) 、ロウ・ユックムイ(羅玉梅)、ボート・チャン (張小船) の最新作を紹介する。母、そして移民として、それぞれのアーティストが体験する日常と肉体のリズムの浮き沈みを重ね合わせた多声的な構成だ。日本で子育てをする母、そしてアーティストでもある3名は、新たな文化環境の中で自らのアイデンティティと心の居場所を再び定めつつ、もう一つの鼓動を抱え育み、絶え間なく相互形成が繰り返される深く複雑な層の中で「親密さ」と「育児」を探検している。

展示空間には、歩く、走る、切る、汚す、楽器を鳴らすなど、さまざまな音やテンポが押し寄せる。母であることや移民としての経験が引き起こす、不安定で自己を分断する感覚が空間に響く。膨らみ、ひび割れ、思い出し、忘れ、形を変える器である母の身体は展示空間をやさしく占有し、すでに存在する場のテンポや建築的特徴を揺さぶる。母の身体とその身体が担う母としての労働が、家そのものであり、家を作る営みであるならば、本展は、母と家の身体性に同感し、心を動かされ、抱きしめられることで、その意味を再構成するような、共感と共鳴が生まれる場となるだろう。

スケジュール

2025年2月8日(土)〜2025年2月23日(日)

開館情報

時間
12:0021:00
月曜日・火曜日は12:00〜19:00
水曜日から日曜日は16:00〜18:00まで一時休憩
入場料無料
展覧会URLhttps://www.ongoing.jp/tag/video/beatingheart/
会場Art Center Ongoing
http://www.ongoing.jp/
住所〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩9分
電話番号0422-26-8454
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