「2025年度久万美コレクション展 WALKS 歩くこと」

町立久万美術館
あと2日で開催
歩行とは二つの地点を結ぶほとんど無意識的な移動手段でしかない。しかし思索や儀式や観想と重なることによって、歩くという行為には特殊な領域が形成されている。(…)つまり、歩行という主題は、わたしたちがありふれた行為に賦与している特殊な意味を考えることともいえる。―レベッカ・ソルニット
歩行とは、単なる移動手段に留まらず、思索や観想と結びつくことで特殊な意味を帯びます。しかし多くの人にとって、歩くことは日常生活の何気ない動作として実践され、目的地への移動という側面以外は、特別気に留められていないかもしれません。
それでは、芸術家たちにとって、歩くという行為はどのような意味を持つのでしょうか。
たとえば、面河渓に魅せられた古茂田公雄、山頂を目指した畦地梅太郎、青木ヶ原樹海を行く斎藤和雄など、描く対象を求めて自然の中を歩いた作家たちがいます。一方、都市もまた、芸術家たちのフィールドとなります。長谷川利行は東京を彷徨い、作家が見つめた街の景色を絵に残しました。丹治日良は、松本竣介が描いた街を実際に歩き、作品と実景の検証を試みました。また、坪内晃幸は道路標示の〔40〕を一定期間撮影し、路上そのものをモチーフとしています。
さらに、歩行には思索や精神活動としての側面も存在します。哲学者・土井虎賀寿は、思考を深めるために近所の山道を散歩したといいます。村山槐多もまた、懊悩する傍らに散歩があったことを日記に書き残しています。
また、同じところをぐるぐるとまわる―巡るという歩き方は、日本人の祈りの行動様式と言われます。四国特有の文化であるお遍路は、祈りの気持ちを歩行に託しているのです。
本展では、当館のコレクションをもとに、芸術家と「歩くこと」の関係性について考えてみたいと思います。

[関連イベント]
1. 学芸員トーク
日時: 1月17日(土)、2月14日(土)、3月22日(日)、4月12日(日)14:30~15:00
講師: 当館学芸員
参加費: 無料 ※要観覧券​、申し込み不要
2. くまびキッズプログラム
日時: 3月28日(土)10:00~11:00
講師: 当館学芸員
参加費: 無料 ※要申し込み
※未就学児とその保護者を対象にした鑑賞会です。
3. くまびジュニアプログラム
日時: 2026年4月4日(土)14:00~15:00
講師: 当館学芸員
参加費: 無料 ※要申し込み
※小学生を対象とした鑑賞会です。
4. 開館記念無料開放デー
日時: 3月22日(日)9:30~17:00
5. 山草園を歩こう!春の植物観察会
日時: 4月11日(土)10:00~12:00
講師: 面河山岳博物館学芸員
参加費: 無料 ※要申し込み
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2025年12月20日(土)〜2026年4月19日(日)

開館情報

時間
9:3017:00
休館日
月曜日
12月30日から1月3日・1月13日・2月12日・2月24日は休館
1月12日・2月23日は開館
入場料一般 500円、大学生・高校生 400円、中学生・小学生 300円
展覧会URLhttps://www.kumakogen.jp/site/muse/25303.html
会場町立久万美術館
https://www.kumakogen.jp/site/muse/
住所〒791-1205 愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2番耕地1442-7
アクセスJR予讃線松山駅よりJR四国バス「久万中学校前」下車徒歩10分
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