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[画像: Constructive Ambiguity, 2024, Freepik]

White Waters 「腐るほどの金はないが、腐る金ならあるだろう(cream)」

LEESAYA
終了しました

アーティスト

White Waters(玉山拓郎、C2D)
White Waters(ホワイト・ウォータース)は玉山拓郎(たまやま・たくろう)とC2D(シー・ツー・ディー)からなるユニットで、2021年から活動を続けています。彼らは既存のルールやシステムを俯瞰し、その名の通り、形の定まらない液体のように、社会的・言語的な対立構造を軽やかにいなし、人々の常識や思い込みの隙間に入り込むような試みを続けています。彼らは自身の活動を「コンセプチュアル・サポート(構想の支持体)」と称しており、作品の表現方法は多岐に渡ります。

展覧会のタイトルである「腐るほどの金はないが、腐る金ならあるだろう」は、ある一つの具体的なエピソードから生まれています。White Watersの共通の知人である日本人アーティストが2022年に公的な助成を得て、コロナ禍とその後に続く急激なインフレのさなか、ニューヨーク郊外のクイーンズ地区に1年間滞在しました。そしてその生活のなかで、コミュニティガーデンをよく利用したと言います。物価高と円安の影響により、支給される助成金だけでは食費も充分に賄えないなか、移民も多いその地域の住民たちが共同で運営し、みんなで野菜や作物を育てて分かち合うコミュニティガーデンが毎日の食卓の支えになったそうです。

そのアーティストが帰国後に「お金も腐ればいいのに」とふと呟いたことがありました。野菜や作物は腐るものであり、有用性の期限が目に見えてわかるからこそ分かち合い、コミュニティの紐帯にもなっているという、そうした経験から無意識に口をついて出た言葉なのではないかとWhite Watersは解釈しました。また、「(cream)」とは、“Cash Rules Everything Around Me(金がおれの周りの全てを支配する)”の略で、ヒップホップの古典的音源の一節でもあります。

本展でWhite Watersは、金と時間を起点として、その見えない絡まりのエクストラクション(抽出)を試みた新作群を発表いたします。私たちは金銭を稼ぎ、消費し、資本に支配された日常を送っています。お金や言葉に実態はありませんが、たしかに社会的に実在しており暮らしの中で機能し続けています。しかし、もし明日地球が滅亡するとしたら、金を大切に取っておく意味がなくなるように、我々の金への執着は、過去・現在・未来へと続くと思われている時間との絶妙な関係性において成立しています。資本主義社会において絶対視されるものの一つである金銭の価値は、実は非常に曖昧で、無根拠です。

決定的な根拠はないけれど、誰も無視できないもの。世界中で自然災害や紛争が頻発する中で、持つ者と、持たざる者に分かれ、今日も争いは絶えません。そもそも私たちは何に囚われ、何に一喜一憂しているのか。本展はそんなことにふと立ち戻るきっかけとなることでしょう。

スケジュール

2024年3月16日(土)〜2024年4月14日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日は17:00まで
休館日
月曜日、火曜日、祝日

オープニングパーティー 2024年3月16日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
会場LEESAYA
http://www.leesaya.jp/
住所〒153–0064 東京都目黒区下目黒3-14-2
アクセス東急目黒線不動前駅より徒歩7分、東京メトロ南北線・都営三田線・東急目黒線・JR山手線目黒駅正面口より徒歩20分
電話番号03-6881-4389
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