兵庫陶芸美術館日本六古窯の一つに数えられる丹波焼(丹波篠山市など)は、平安時代末期に常滑焼(愛知県)など東海地方の窯業技術を取り入れて誕生しました。
中世には、壺(つぼ)・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)を中心に無釉陶器の生産に終始しますが、江戸時代初頭には窖(あな)窯(がま)から登窯に転換し、ほぼ軌を一にして、器面に塗った土部が赤く発色した赤土部、灰釉や栗皮釉、石黒釉など各種の釉薬を生み出し、それらを縦横に駆使し、器面装飾に多彩な展開をみせました。さらに江戸時代後期には、京焼系の意匠・技法を受容するとともに、白い器面の瀟洒(しょうしゃ)な白丹波などがつくられました。江戸時代に盛行した小型徳利の生産はその後も続き、明治時代以降、丹波でも近代化の波を受けて機械動力が導入され、酒や醤油を入れる樽型の容器や新たな装いを凝らした植木鉢も生産されるようになりました。さらに昭和時代初期には物資不足を補うため、硫酸瓶や軍用品も生産され、丹波焼は時代の要請に応じて変化しながら、現在まで続いています。
本展では、当館設立の契機となった「田中寛コレクション」(平成30年3月、兵庫県指定重要有形文化財)をはじめとする、丹波焼の優品を紹介します。あわせて開館後に収集した古陶磁や現代陶芸を展示し、当館コレクションの広がりと魅力を展観します。
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