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薛青麟 「405 NOT FOUND」

Moon Gallery浅草分館
終了しました

アーティスト

薛青麟
薛青麟の写真表現は、生来の鋭い感受性と、内側で絶えず揺れ動く感情の衝突から立ち上がる。

学びや生活といった外界の秩序は、彼女の内に広がる精神世界と決して噛み合わず、その齟齬はやがて、矛盾し、尖り、揺らぐ独自の表現の核をかたちづくった。どこにも安住できず、常にざわめきの只中にいること、その不安定さこそが、彼女を写真へと導いた原点である。都市を彷徨いながら拾い集める微かな光、すぐに消えてしまう気配、自身の震えと共鳴する瞬間。

写真は、世界と彼女をつなぐ唯一の接点となり、撮るという行為は「正しい方法」を模索し続ける旅そのものとなった。彼女はモノクロームとスローシャッターを偏愛し、内側の揺らぎを外の景色へと反射させる。女性も男性も、力も脆さも、親密さも隔たりも、その全てを等しく受け止め、像として定着させようとする。

本展の中心概念である「405 Not Found」は、彼女が「404 Not Found」と「405 Method Not Allowed」を分解・再構築し得たひとつの解釈である。「見つからない」という不在と、「正しい方法でアクセスできない」という拒絶である。その二つのエラーメッセージは、誤解され、見過ごされ、自分をうまく表現できない痛みと重なり、誰もが抱えうる普遍的な困難の象徴として提示される。

本来、405は「そのアクセス方法は許可されていない」という意味を持つ。しかし、薛青麟はこれを規則への従属ではなく、規則を書き換える出発点として読み替える。屈せず、従わず、馴致されず、世界の端で小さく、しかし確かに成長していくための符号として「405」を掲げるのである。それは彼女の誕生の数字であり、タイムスタンプであり、偏差であり、そして再生の印でもある。

「405 NOT FOUND」は、まだ露光されていない感光面へと触れるための「アドレッシング(addressing)」の試みである。たとえ世界がまだあなたを見つけられなくとも、存在はすでに意味を持ち、あなた自身の世界は少しずつ築かれていく、そんな静かなメッセージが、本展全体を貫いている。

スケジュール

2025年12月16日(火)〜2025年12月21日(日)

開館情報

時間
9:0021:00
入場料無料
会場Moon Gallery浅草分館
https://www.moon-gallery-studio.com/
住所〒111-0032 東京都台東区浅草2-35-14 2F
アクセス東武スカイツリーライン・都営浅草線浅草駅6番出口より徒歩3分、つくばエクスプレス浅草駅A1出口より徒歩8分
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