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「矢部俊一展―空刻」

兵庫陶芸美術館
終了しました

アーティスト

矢部俊一
兵庫陶芸美術館では、国内外で活躍する著名な作家を招聘し、若き作り手たちに刺激を与えるとともに、幅広い人々により深く陶芸に親しんでいただくため、2006年より「著名作家招聘事業」を実施しています。第17回となる今回は、ここ丹波とともに日本六古窯の一つに数えられ、土と焼成によるシンプルで原初的なやきもので知られる岡山・備前において、彫刻家として先鋭的な造形を追求する作家・矢部俊一氏(1968- )をお迎えします。

岡山県備前市に生まれた矢部氏は、彫刻家を志し、名古屋芸術大学彫刻科に学びますが、1993年に帰郷して陶芸の道に入り、祖父・山本陶秀氏(1906-1994)、父・矢部篤郎氏(1941-2017)の指導を受けました。試行錯誤の末、備前の土と焼成による原初的で力強い造形を自身のルーツと捉え、そこに現代彫刻の技法と独自の造形思考を持ち込むことによって、これまでの備前にはない、鋭く緊張感のあるフォルムを追求していきました。「空刻(くうこく)」と名づけられたこれらの作品は、手捻りで成形後、暗闇の中で逆光によって浮かび上がる稜線や土肌を見極めながら、極限までシンプルにフォルムを削ぎ落として制作しています。そこに、褐色に焼き締まった備前の山土のざらりとした質感や、炎の流れによる微妙な色のグラデーションが加わることで、現代彫刻としても、備前焼としても、孤高の存在感を示すものとなっています。

2015年の滋賀県立陶芸の森(信楽)での滞在制作を経て、備前の土のポテンシャルを再認識した矢部氏は、金、銀、パラジウムなどの金属を肌面に極薄く塗り、その下からほんのりと匂い立つ土の質感を強調することで、「無釉焼締」を信条とする備前に揺さぶりをかけ、新境地を拓いています。本展では、矢部氏の造形の変遷をゆるやかに辿るとともに、いま一度、「備前焼とは何か」を、そして、伝統を持つやきものの真価や可能性を問う機会とします。

スケジュール

2022年12月10日(土)〜2023年2月26日(日)

開館情報

時間
10:0017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
年末年始・メンテナンス期間(2月下旬から3月中旬)休館
備考
1月2日・1月3日・1月9日は開館
12月31日・1月1日・1月4日・1月10日は休館
入場料一般 600円、大学生 500円
展覧会URLhttps://www.mcart.jp/exhibition/e3405/
会場兵庫陶芸美術館
https://www.mcart.jp
住所〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4
アクセスJR福知山線相野駅より神姫グリーンバス(52系統)「兵庫陶芸美術館」下車徒歩1分
電話番号079-597-3961
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