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竹内義博 + 山本和真 「ゲームの規則」

ANAインターコンチネンタルホテル東京
終了しました

アーティスト

竹内義博、山本和真
ARTPLAT@Bwac JAPANは竹内義博、山本和真による2人展「ゲームの規則」を開催いたします。

表現理論の側面から見れば、すでにキャンバスのなかに新たな可能性はほとんど残っていないとも思われる現在において、絵画を探求することとはいかなる試みであろうか。

山本和真は、ものの存在と見え方に注目し、既存の感覚にとらわれないイメージを模索する作家である。1998年生まれの山本はデジタル・ネイティブ世代に属し、作品には無意識のうちに時代性がにじむ。人々が日々膨大なイメージにさらされる現代、私たちの視覚認識も大きく変容した。山本のように物心がつく頃からインターネットが身近だった世代とそれ以前とでは、そもそもイメージの捉え方が異なるのだろう。彼の作品には、顕微鏡的・望遠鏡的視点から即物的・観念的に描かれた有機物や無機物が混在し、一見すると不規則なコラージュのようだが、本人は視覚感覚の投影だと語る。彼にとって対立的な要素の同居は自然であり、その在り方は現代の知覚を体現している。

竹内義博はレトロゲームのイメージを用い、無意識下の認識を絵画で表現する。代表作「連鎖シリーズ」はゲーム「ぷよぷよ」に着想を得ており、連鎖によってぷよが全て消えた画面に「NEW GAME」の文字が添えられている。タスクを達成することで次の目的が現れるという現代的な行動整理の感覚を描いている。新作「反射シリーズ」もまた、レトロゲームを彷彿とさせる画面構成となっている。画面の中心に描かれたゲームにおなじみの記号とその軌跡は、街中における移動のように人工的に設計された空間でなければ起こり得ないほど正確な軌道で反射している。色彩のグラデーションによって色付けされた背景は、多くの人がイメージするグラデーションが自然界のものではなく人工的に作られたものであることを示す。新作「反射シリーズ」で竹内は、わたしたちの行動や色覚感覚は、無自覚に他者によって設計された規則から影響をうけていることを示しつつ、フリーハンドによる無秩序な線を潜ませることで、誰しもが規則からの逸脱を片隅で願っていることを表現しているようにみえる。

二人の作家は絵画の歴史=規則を踏まえながら、それぞれの目に映る今を絵画として表現している。この点にこそ、表現理論の更新とは異なる絵画に向き合う姿勢があるといえるのではないだろうか。

« Vous voyez, dans ce monde, il y a une règle du jeu. »
(ご覧なさい、この世界にはゲームの規則というものがある。)

このセリフは、映画史における不朽の名作『ゲームの規則』において、監督であるジャン・ルノアール自身が演じるオクターヴが、気づかぬうちに規則に翻弄され生じた悲劇を前に発したものである。当たり前と疑わなかった社会の規則がいとも簡単に書き換えられていく現状を目の当たりにするわたしたちに対して、本展はわたしたちの生活に潜む「規則」を浮び上がらせることで自覚を促している。

会場: ホテル内1、2、3階のアートギャラリー

スケジュール

2025年4月22日(火)〜2025年7月20日(日)

開館情報

時間
0:0024:00
入場料無料
会場ANAインターコンチネンタルホテル東京
http://anaintercontinental-tokyo.jp/
住所〒107-0052 東京都港区赤坂1-12-33
アクセス東京メトロ南北線・銀座線溜池山王駅13番出口より徒歩1分、東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅A2出口より徒歩12分、東京メトロ千代田線赤坂駅5b番出口より徒歩16分
電話番号03-3505-1111
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