ギャラリイK五味良徳は、私たちの身のまわりにあるもの、人の存在感や、それらを取り巻くたたずまいを絵に表現していますが、その柔らかな筆の動きが生み出す画面からは、人類が連綿と受け継いできた、描くということの本質的な魅力、絵画の絵画たる所以が、そこはかとなく香り立つように感じられます。
今回の展覧会名「像と景」は、現在の作者の関心のありかを語っています。もの、人の在りようを写実的に描いた時の“像”、それが現実に目の前にあるもののなのか、実際には目の前に存在しないものを思い描いた“像”なのかによって、どのように描き分けるべきなのか、あるいはそもそも描き分けなくても良いのか。描かれたたたずまい、すなわち作品内の空間“景”と、現実の空間とはどのように調和させるべきか、あるいは、あえて調和させないほうが良いのか・・・
これらの問いは、絵を描くことにおいて初源の問題とも言えるでしょう。しかし五味良徳の画業は常にそのような根源的な問いの次元に惹きつけられているからこそ、描くということの新鮮な魅力を保ち続けているのかもしれません。
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