終了した展覧会・イベントです

武田陽介 「STRUCT.RE:CALL」

KOSAKU KANECHIKA
終了しました

アーティスト

武田陽介
KOSAKU KANECHIKAでは、7月1日から8月2日まで天王洲にて武田陽介展「STRUCT.RE:CALL」を、また、7月5日から8月9日まで京橋にて武田陽介展「Lost in Translation」を開催いたします。

武⽥陽介は、写真というメディウムの可能性を追求し続けています。代表作である「Digital Flare」シリーズは、デジタルカメラを強い光に向けた際に⽣じるフレアという現象を捉えています。その光とは、カメラのシステムがとらえた純粋な被写体ではなく、その被写体とシステムの関係性から⽣じ、カメラフレームの内部に溢れた光であり、それを作品化することを武⽥は「⼿段の形跡、存在の刻印」と表現します。つまり写真において、被写体はカメラシステムの外部にあり、客観化され、カメラはそれを写しとる、という前提を相対化しています。「⼿段(カメラ)と⽬的(被写体)の錯綜した関係性」をこそ被写体とする彼のコンセプトは、写真の歴史においてこれまでに⾏われてきた様々な実験に連なるものであるだけではなく、美しく、強度があり凝縮された作品を⽣み出しています。

KOSAKU KANECHIKAでの2回目の個展となる本展で、天王洲ではキャリア初期の2006年に撮影された作品から、デジタルカメラを強い光に向けた際に生じる現象をとらえた武田の代表作《Digital Flare》シリーズ、そして新作までを展示いたします。

一方、京橋では、新シリーズ《Lost in Translation》を発表いたします。本シリーズでは結露した⽔滴をモチーフとし、様々な条件(カメラの機種、レンズの種類、露光時間、カメラの動かし⽅など)を次々と変化させながら、同一の対象に繰り返しアプローチしています。その膨⼤なイメージの中からセレクトされた作品には、驚くほど多様で豊かな濃淡と⾊彩を持った光とテクスチャーが定着しており、構図の大胆さと、そこに潜む不確かさの揺らぎとが共存しています。

会場では、作家自身によるテキストも併せて配布いたします。撮影条件を変化させながら捉えられた光の軌跡は、言語化し得ない時間や感情の断片のようでもあり、それはまさに、言葉では伝えきれないものを描き出す今回のエッセイと呼応しています。揺らめく光の層と、行間に沈む声なきもの。その両方に触れることで、本展はひとつの“翻訳されない経験”として立ち上がります。

本展を通して、観る者それぞれの内側に沈む「すでに言葉を失ったもの」に光をあて、映像とことばのあいだにある“すくいきれなさ”を静かに浮かび上がらせることができれば何よりです。

天王洲のスペースでは16点を、京橋のスペースでは20点を展⽰します。この機会にぜひご⾼覧ください。

スケジュール

2025年7月1日(火)〜2025年8月2日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://kosakukanechika.com/exhibition/struct_re_call/
会場KOSAKU KANECHIKA
http://kosakukanechika.com/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
アクセス東京モノレール・りんかい線天王洲アイル駅より徒歩8分、JR品川駅港南口3番乗り場より都営バス(八潮パークタウン行き、品91)「天王洲橋」下車徒歩3分
電話番号03-6712-3346
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

2件の投稿

すべて表示