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矢島陽介 「anonymous works」

Cale
終了しました

アーティスト

矢島陽介
この一連のシリーズは事前に撮影した写真を引き伸ばし、それを背景として顔の映らない後ろ姿の人物をプリントの前に立たせて撮影するという手法をとっています。背景のプリントは天地が正しいとは限らず、人物を選ぶ基準は設けず、要求するポーズにも特別な意味を持たせていません。それらの結果としてチグハグで奥行きのない構成写真が生み出されています。矢島はこれらのシリーズの在り方として、写真評論家の港千尋氏が写真家・高梨豊氏の作品集「地名論」について記したテキスト「月の砂漠」内に記されている“インターネットと携帯電話の普及によって「もはやどこにいても同じこと」という状態、つまり地名自体の無意味化が起きている”という一節に心を重ね合わせています。更にコロナ禍を経て、“理性や知識では理解したつもり、安全だと判断したつもりだったものが、実は動物的カン、生物的反応としては拒絶していることに気がつかなかったりする。この頭でっかち(もしくは生存本能の欠如)になった脳と、身体とのズレ、誤解、認識不足、思い込みは、特に都市生活においてより顕著に表れている気がする。”と語っています。地域の特性の希薄化、個人の匿名化に対して、身体または建築物の構造とそこに生じる力学を無効化する仕掛けを用いて、直接的ではなくイメージの創出という方法で向き合おうとしているのです。さらに、こうした関心ごとの根源には、矢島自身の生まれ育った「片田舎の新興住宅地」という環境が少なからず影響していると言います。

1980年代初頭に生まれた世代が感じる環境と人、人と人の関係について考察と制作を続ける矢島の作品を、この機会に是非ご高覧ください。

スケジュール

2024年5月17日(金)〜2024年6月1日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場Cale
http://www.cale.jp
住所〒106-0044 東京都港区東麻布3-4-6 1F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ南北線麻布十番駅6番出口より徒歩3分
電話番号03-6441-3661
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