森夕香, Drift, 2025, 木製パネル、和紙、日本画顔料

森夕香 「霧露」

Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi
1月13日開始

アーティスト

森夕香
Yutaka Kikutake Gallery Kyobashiでは、2026年1月13日(火)-2月21日(土)まで、森夕香の個展を開催いたします。1991年滋賀県出身、現在京都を拠点に活動を展開する森は、日本画の顔料と支持体を基盤に、人と植物という二つの大きな主題を描いています。幼少期の環境によって培われた、自然や植物に対する彼女の感受性は、身体表現の実践経験からも来る身体性への高い関心を経て、人と人、人と植物、あるいは植物同士が融合する連続体のイメージとして結実しています。本展に際し森は、より日常的に採集された素材を元に、人と植物の連続体、そして網の目のような有機的かつ混沌とした植物の形態を主題とした「Mesh」シリーズを中心とする、8点前後の新作群に取り組みました。

人と自然の境界に対する森の考察は、有機的、かつ臓器的とも描写されうる流体のモチーフとして画面上に可視化されてきました。本展のために制作された作品群は、これまでの彼女の取り組みの延長線上に位置しながら、季節の移り変わり、ふと目に留まった街中の植物、風景、あるいは会話などといった、より作家の日常に根差した視点に端を発しています。描かれるものである「図」と、描かれなかったことで背景として想像される「地」の相互関係、あるいは崩された秩序が「地」を「図」に変え、また「図」が「地」にもなるような流動性の探究は、彼女の描く世界観の特徴的な点のひとつです。画面を覆う植物の有機的な形態が顕著な「Mesh」シリーズは、そうした彼女の試みを雄弁に物語るものと言えるでしょう。また森は、以前より窓を介した建物の内と外の循環を描くという試みにも取り組んで来ました。本展では、知人と交わした会話が契機となり、身体の内と外が反転する実感を得たという彼女は、新たな有機的フォルムの探究を推し進めています。

これまで単体で表現されることの多かった、人と植物の融合する連続体のイメージは、個から群像へ、モチーフから風景へ、木から森へと変容を遂げつつあります。彩光の少ない京橋スペースの特徴を活かし、内省的な展示を構成したという作家の言葉通り、その室内に含まれる鑑賞者もまた内と外の境界、および循環、さらには反転といった視点についての考察を促されることでしょう。身体と環境が内包しあい、両者が流動的に変容し続けるさまを描く森の想像の断片と、その新たな試みの記録をぜひご高覧ください。

スケジュール

2026年1月13日(火)〜2026年2月21日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
日曜日、月曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.yutakakikutakegallery.com/ja/exhibitions/muro/
会場Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi
https://www.yutakakikutakegallery.com/
住所〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F
アクセス東京メトロ銀座線京橋駅6番出口より徒歩3分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口より徒歩5分、都営浅草線宝町駅A7出口より徒歩5分、JR東京駅八重洲中央口より徒歩7分
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