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牧野優希「公園のラプソディ」 キャンバスに油彩 65.2×91(cm) 2025年

牧野優希 「土が見た夢」

GALLERY CAPTION
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アーティスト

牧野優希
GALLERY CAPTIONでは6月28日から7月20日まで「牧野優希展 "土が見た夢"」を開催いたします。本展は、昨年開催したグループ展「Newfound」(2024年、GALLERY CAPTION)で好評を得た、多摩美術大学大学院在学中の牧野優希(1999年神奈川県生まれ)の油彩作品をご紹介するもので、当廊では初めての個展となります。

「生活するなかで触れる時季特有の風や土の匂い、光や湿度など、外界への観察から得た体感を、その時読んでいた本や聴いていた音楽から受けた情調を交えながら表現している」という牧野の作品は、主に生まれ育った街や、通学の途中に出会った景色が基になっています。刷毛跡を活かしたストロークと、独特な筆致から成る、滲み流れるような絵具の表情は、繰り返される海の波間や鬱蒼と広がる森、大気のうねり、生命の有機的な蠢きといった動的なイメージを喚起し、どこか映像的でもあります。

私たちは日々、外界から様々な知識や情報を受け取りながら生活を送っていますが、牧野の作品からは、季節や昼夜の時の移ろいとともにある様々な自然の変化に、彼女がとりわけ鋭敏な感覚を向けていることが見てとれます。そして書物や音楽を通じた体験を吸収しながら日々変わっていく自分自身の今現在と、目にした印象的な光景、更に、その土地が持つ歴史を、画面の上で即興的に交錯させようと試みています。

牧野にとっての風景とは、地平に広がる自然や建造物など、目に見えるものを指すのではなく、地層が記憶するかつての歴史や時間をも含むもので、歩いていると、季節や風土特有の空気を、その土地の土が孕んでいるのを感じるのだと言います。それについて「その土地を歩き、風土を体感する時、その土地に自分の身体が溶けていくように思えるときがある」とし、その時季に咲く花の香りや、季節に先んじて漂うほのかな気配、そこに棲む生きものの息づかいを土の匂いに覚えると、五感が拡張され周りとの境目がなくなるような、不思議で得難い感覚になるのだとも記しています。

それは彼女にとって、今自分が立っている地平から、過去へと思いを想像上にめぐらすということ以上の意味を持つ、人間のなかにある原初的な感覚を伝わって得られる実感なのでしょう。描かれた風景とも抽象ともとれるイメージは、その実感を今を生きる自身の身体を通して表そうとしているのであり、またそれは彼女が感受した様々な事象、現象に対しての反応の軌跡であると言えるでしょう。

本展は「土が見た夢」と題し、油彩作品10点余りを展示いたします。牧野がそこに身を染み込ませるようにして培ったイメージとその土壌の広がりが、湿り気を帯びた筆致の集積によって表されます。

スケジュール

2025年6月28日(土)〜2025年7月20日(日)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日、火曜日
入場料無料
会場GALLERY CAPTION
https://www.gallerycaption.info/
住所〒500-8813 岐阜県岐阜市明徳町10 杉山ビル1F
アクセス名鉄名古屋本線・各務原線名鉄岐阜駅中央口より徒歩18分
電話番号058-265-2336
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