主に円形を用いるのは、根源的で強い形であると同時に、できるだけ特定の意味内容を持たせないようにするためです。幾層ものレイヤーによって現れる奥行きは、平面でありながら空間的であり、イメージでありながら物質的でもあります。明確な構図があるわけではないのに、そこには秩序があり、意図を感じさせながらも、どこかつかみきれない曖昧さが漂います。その矛盾に満ちた存在が、絵画という形式を静かに揺さぶります。 山本の近年の取り組みとして注目すべきは、プログラマーとの協働により独自に開発された描画システム「Random Circle Drawing System(RCDS)」です。
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