[画像: Yuko Mohri Decomposition Installation view of “Trust and Confusion,” Tai Kwun Contemporary, Hong Kong, 2021 Courtesy the artist, Yutaka Kikutake Gallery, Tokyo, Project Fulfill Art Space, Taipei and mother’s tankstation, Dublin/London.]
今回展示される《Decomposition》もまた、フルーツの内部で生じている微細な変化を音に変換し、土や幹との繋がりを断った後も生成変化を続けるフルーツの生命の姿を伝えます。フルーツは西洋絵画においてたびたび描かれる主要なモチーフのひとつであり、絵画のなかで言うなれば永遠の生を与えられてきましたが、本作品はそうしたフルーツをあらためて生死の循環に戻すものでもあります。本作の制作にあたって、だんだんと腐り姿形を変えてゆく死体の様子を描いた仏教絵画「九相図」を作家が参照項としていることも、特筆すべき点として挙げられるでしょう。毛利が敬愛してやまないジョン・ケージやデイヴィッド・テュードアといった先達たちが60年代から実践してきたライヴ・エレクトロニクス(Live electronics)という表現形態を土台にしつつも、死にゆく有機物をメディウムに使用した本作は、リヴィングデッド・エレクトロニクス・インスタレーション(Living dead electronics installation)と呼ぶことができるかもしれません。
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