MAHO KUBOTA GALLERYMAHO KUBOTA GALLERYでは長島有里枝による個展「ガレージセール」を開催いたします。本展は、当ギャラリーでは2020年以来3回目の個展となります。
長島の近年の活動は作品制作にとどまらず多岐にわたります。2021年に金沢21世紀美術館で開催された「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で」では、ゲストキュレーターとしてアーティストたちと対話を重ねながら展覧会を作り上げました。また、2023年の個展「長島有里枝 ケアの学校」(港まちポットラックビル、名古屋)では、会期中に会場を自身のスタジオとして公開し、アーティストや来場者とともにパフォーマンスやイベントを開催するなどその表現の幅を大きく広げています。
こうした近年の試みは、一見すると1993年のデビュー作である家族のヌード写真や、代表作の一つであるセルフポートレイトシリーズとは異なる表現のように感じられるかもしれません。しかし、長島の眼差しは一貫して身の回りの大切なものに向けられています。それは、自分自身、家族、ペット、大切な友人や仕事仲間、日常の時間、そして親しい他者とのコミュニケーションに関わるものです。長島は、その時々の自身や社会の状況に合わせながら柔軟に作品を展開してきました。
本展「ガレージセール」では、愛猫・愛犬を捉えた新作のモノクロプリントや彫刻をはじめ、日常生活や家事の場面を切り取った「家庭について/about home」のシリーズやアメリカの各地でカメラにおさめた植物のシリーズ「wild flowers」 など、これまで当ギャラリーで発表してきた作品にドローイングを加えて展示いたします。
長島は本展にあたって「手を動かして制作をしたかった」と語っています。新作のモノクロプリントは長島自身が暗室に入ってプリントしました。また、これまで「長島有里枝 ケアの学校」や「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」(2024年 国立西洋美術館)で制作プロセスを公開してきた愛犬の木彫作品が、本展ではさらに進化した形で展示されます。
セルフポートレイト、静物、動物、風景—これらは長島にとってかけがえのないテーマであると同時に、18世紀の女性アーティストたちが社会的な制約の中で選ばざるを得なかった数少ないモチーフでもありました。本展を通じて、長島がこれらのテーマにどのように向き合い、新たな表現へと昇華させているのかをご覧いただければ幸いです。
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