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「c/o(シー・オー)」

東京ミッドタウン日比谷
終了しました

アーティスト

植木弦、黒木結、高見澤ゆう、道前碧、宮崎竜成
c/o(シー・オー)—— “care of”
郵便物に記されるこの略語は、住所がわからない宛先へ、直接ではなく他者を介して、荷物を届ける場合に用いられる。本展の三名のキュレーターによる co-curation は、その語が含む “co-”=共に、そして “care”=手をかけること、をひとつの宛先にまとめてさしだす行為である。

キュレーションという語はもともと、魂を「ケアする」聖職者や、水道を「管理する」役人の仕事に由来する。いずれも、人や物の流れを絶やさず、誰かのために環境を保つ行為だった。ともすると、curation とは、絶えず届き続けるように配慮すること——すなわち、ひとつの「配送の技術」としても読めるかもしれない。

わたしたちが「共にする」とは、つねに宛先不明の他者へ、何かを預けることでもある。それは、届くかどうか定かでないまま、手放され、遅延し、あるいは思わぬ経路で投函される出来事である。

この展示が置かれるのは、日々、無数の人が交差し、行き先の異なる線が重なり合う地下の交通網の真っ只中である。地上から切り離されていながらも、都市の諸点をつなぐこの場所は、まるで宛先を持たない郵便物のように、流れと偶然のあわいを漂っている。

そのような場において、本展は「信じること」や「共にあること」だけでなく、「託し、離すこと」「いまここにない誰かに宛てること」への応答にもなりえるだろう。わたしたちはいかにして、他者に宛てて何を差し出すことができるのか。

結びに、このテキストもまた、三人のキュレーターがそれぞれの言葉を手渡しながら、書き繋いだものであることを記しておきたい。異なる声を順に託し合い、編集という郵便的な過程を経てここに届いている。これもまた、わたしたちの “co-” の実践であり、もうひとつの現れである。

この展示が、あなたのもとへ、いずれどこかの経路をたどって届くことを夢見ながら。

会場: 地下アーケード

スケジュール

2025年11月10日(月)〜2025年11月24日(月)

開館情報

時間
11:0023:00
入場料無料
会場東京ミッドタウン日比谷
https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/jp/
住所〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-1-2
アクセス東京メトロ千代田線・日比谷線・都営三田線日比谷駅より直結、東京メトロ有楽町線有楽町駅D1出口より徒歩4分、JR山手線・京浜東北線有楽町駅中央西口より徒歩5分
電話番号03-5157-1251
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