昭和41年に正式発足した東京大学総合研究資料館は、その設立準備段階から博物館と称することを企図されていたが、当時の博物館という概念は社会教育施設としての機能を中心とするため大学にはふさわしくないとされ、発足直前の段階で資料館という名称が決定された。そのような決定にもかかわらず、歴代館長をはじめとする資料館関係者は博物館への名称変更を長年にわたって文部省に働きかけ、ようやく平成8年度概算要求で総合研究博物館という名称を掲げることができるようになった。資料館から博物館への移行は単なる名称変更ではなく、研究システム自体を改編しようとする組織変更だった。これまでの資料館における研究が学術標本に引きずられたものとするなら、博物館での研究は学術標本を先導するものと定義することができる。 博物館は来るべき21世紀にも重要な役割を担うことのできる組織として活動できるのである。