TOTOギャラリー・間東日本大震災からまもなく2年、想像を絶する津波の記憶は次第に遠去かり、私たちの生活は日常に戻りつつある。だが被災地の人びとの心の傷は癒されてはいないし、まちが復興する兆しも一向に見えない。こうした現実を目の当たりにして私たちは、建築家として、いやそれ以上にひとりの人間として、被災地の人びとに一体何を償うことができるのだろうか。「ここに、建築は、可能か」というテーマは、このような状況において、このような場所でのみ、建築本来の姿を問うことが可能ではないのか、という想いの裏返しである。「みんなの家」と呼ぶ小さな共同の家を媒介にして、私たちはいまなら被災地の人びとと心を通わせることができるかもしれない。そしてそこから人々が集まるための場を形成するという、建築の最もプリミティブな発生過程をたどることができるかもしれない、と考えた。2012年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展において、私たちは陸前高田市に建てられた「みんなの家」を巡っての、およそ1年にわたる被災地の人びとと私たちの議論のドキュメントを展示した。経済の道具と化してしまった建築を、もう一度ゼロから建築本来の意味を世界の建築関係者とともに問い直してみたかった。それはカタストロフィに直面したわれわれに課せられた、責務であると考えるからである。
[関連イベント]
シンポジウム「だれのために建築は建てられるのか - 「みんなの家」から学んだこと - 」
日時: 2013年3月11日(月) 18:30〜21:00
会場: 津田ホール
登壇者: 内藤廣(モデレーター)、伊東豊雄、乾久美子、藤本壮介、平田晃久、
参加: 定員490名、事前申込制、無料
※お申込の詳細などは公式HPをご確認ください
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