山種美術館愛知で生まれ風光明媚な岐阜で育った玉堂は、14歳で京都の円山四条派の望月玉泉や幸野楳嶺の元で本格的に日本画を学び、早くから才能を開花させました。本展では、初期の代表作《鵜飼》(山種美術館)、上京して橋本雅邦に師事した頃の狩野派の影響の色濃い《渓山秋趣》(山種美術館)、転換期の作品といわれる《二日月》(東京国立近代美術館)、《紅白梅》(玉堂美術館)を始めとする琳派や南画等さまざまな研究を経て新たな境地を拓いた作品、そして晩年の情趣深い画境に至るまでを展観いたします。また、長らく公開されることがなく、再発見とも言うべき作品《柳蔭閑話図》をこのたび特別に展示します。初公開となる《写生帖》(玉堂美術館)と18歳の玉堂が友人と編んだ同人誌『硯友会雑誌』(玉堂美術館)など、若き玉堂の熱心な研究の足跡を垣間見ることができる資料もご覧いただきます。1957(昭和32)年、玉堂の訃報に接した日本画家・鏑木清方は「日本の自然が、日本の山河がなくなってしまったように思う」と嘆いたと言われています。俳句や和歌を嗜み、文学にも造詣の深い玉堂が描いた穏やかな風景は、今なお見る者の郷愁を誘い、私たちの心を癒してくれます。当館の創立者・山崎種二は玉堂と親しく交流し、しばしば青梅の玉堂邸を訪れるほどの間柄でした。そのご縁により、当館は玉堂の代表作の数々を所蔵しています。本展開催にあわせて修復し初公開となる作品、書や陶器の絵付けなど、これまでほとんど紹介されていないものも加え、当館所蔵の玉堂作品全点をご紹介するのは開館以来初の試みです。当館所蔵の71点の玉堂作品を中心に他館からも代表的な作品を借用し、展示いたします。
※前期展示: 6月8日(土)~7月7日(日)、後期展示: 7月9日(火)~8月4日(日)
※一部展示替え有り。
[画像: 川合玉堂「早乙女」]
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