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上原沙也加 「緑の部屋:平和の島」

ART GALLERY ATOS(ギャラリーアトス)
終了しました

アーティスト

上原沙也加
ギャラリーアトスでは、上原沙也加の個展「緑の部屋:平和の島」を開催いたします。

上原沙也加は、出身地である沖縄島を生活の場所として記録しながらも、その細部に重層的な時間の断面を示すような写真作品を制作してきました。

2023年の夏からは、隣島である台湾にも関心を向け、通いながら撮影を続けています。台湾で訪れた場所や滞在中に出会った出来事をもとに制作されたシリーズ「緑の部屋」は、政治的変遷を経て残る特定の建物や場所の風景、さらにそこから持ち帰ってきた事物を撮影した白黒写真とテクストから構成されます。これまで「緑の部屋」シリーズより、「幽霊たちの庭」(2024年、VOCA展奨励賞、大原美術館賞を受賞)と、「花売りのおばあさん」(2024年、MISA SHIN GALLERY)を発表してきましたが、本展では初公開となる新作「平和の島」を展示します。

「平和の島」は台湾の基隆港の東側に位置し、玄関口でもある和平島を起点に制作された作品です。和平島は元々原住民族が暮らしており、漢民族が基隆で最初に住み着いて、17世紀にはスペインとオランダが支配権を争った場所でもあります。さらに日本統治期には「社寮島」と呼ばれ、500人以上の琉球人が住む集落・琉球埔がありました。戦後、二二八事件が起こると、島の海岸は虐殺の場となりました。上原はひとつひとつの事物の来歴を確かめるように、小さな徴をカメラに収めています。写真に写し出される無人のビーチや造船所、砲台跡の残る高台や、窓越しに見える小さな橋は、場所が辿ってきた複雑な歴史の断片を静かに告白するように並べられます。さらに、過去の時間のなかに身体ごと入り込み、想像するための実践として、私的な空間に事物を持ち帰り、手で触れる瞬間を写真に収めています。それは上原が生まれ育った沖縄に流れる時間とも折り重なり、現在まで続く島々の関係性や複数の歴史についても考えを巡らせることになります。

本展では、「緑の部屋」と蝶番の関係にある、台湾での旅の記録を綴ったカラー写真で構成されるシリーズ「緑の日々」からもその一部を展示いたします。

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日時: 2月8日 (土) 15:00~
参加費: 無料・出入自由
ゲスト: 上原沙也加(写真家)× 金惠信(美術史研究・沖縄県立芸術大学客員教授)

スケジュール

2025年2月7日(金)〜2025年2月24日(月)

開館情報

時間
11:0018:00
日曜日・祝日は17:00まで
休館日
月曜日、火曜日、水曜日、木曜日
入場料無料
会場 ART GALLERY ATOS(ギャラリーアトス)
https://www.galleryatos.com/
住所〒901-0155 沖縄県那覇市金城1-7-1
アクセスゆいレール小禄駅から徒歩15分
電話番号0988590158
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