不知火美術館・図書館1982年熊本県生まれ。現在は県内外を行き来しながら活動する興梠優護の、熊本県内では初となる個展を開催します。興梠は、中性的な人体をモチーフとした絵画を軸に、光や色彩といった、常にうつろい、ときには不可視として現れる現象に着目して制作を行っています。さらに、インスタレーションや映像など、絵画性を拡張する表現を試みています。近年は国内外のレジデンシーに積極的に参加し、その都度、新たな土地での体感や出会いを制作に取込みつつ、表現の可能性を広げてきました。
本展では、美術館周辺地域である不知火の風土や文脈のリサーチをもとに、地元の子供たちとの共同制作も取り入れながら、美術館の外へと開かれた展示を行います。美術館の空間にあわせて制作される4×8mの大作は、この地に広がる不知火海を主題としています。
不知火現象に象徴される光のゆらぎや、文学や民話のなかで語り継がれてきた地域性を、どのように解釈し、表象するのか――そうした問いもまた、本展を通して浮かび上がってきます。また、興梠とゆかりある作家による収蔵作品とあわせて、それらから着想を得た新作も展示します。
絵画そのものを超えて、色彩や光、身体、そして作品が置かれる空間へと関心を向けてきた興梠。故郷での初個展となる本展では、自身のルーツやこれまでの活動をあらためて見つめ直し、絵画が空間や環境、そして私たちとのあいだにどのような関係性を結びうるのかを探ります。
ジェンダー、抽象と具象、絵画とそれを取り巻く空間――さまざまな境界を横断しながら展開される興梠の表現は、絵画の枠組みや私たちの知覚を揺さぶります。
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