公開日:2012年11月29日

私の彼を美術館に連れてって!!YES/NOチャート

彼をもっとアート好きにするにはどうしよう?

大好きな彼と一緒に美術館やギャラリーに行って、アートを体験して、二人の思い出の1ページに残したい…でも、肝心な彼はあまり美術に関心がなくて、なかなか誘っても乗り気になってくれない。でも、彼が興味を持ちそうな展覧会さえ見つかれば、逆に彼の方から誘ってくれたりして?そんな便利な指南書があったらなあー。

積極的にアートイベントに行かない人たちは、普段どんなことをして過ごしているんでしょう?今回は、敢えてそんな人に焦点を当て、彼らのライフスタイルをインタビュー調査してきました!全体から感じた考察の結果、見えてきた要素をまとめてみると…

・美術館にあまり行かない人に根強い?固定概念
美術館に行かない理由として「難しそうだから」と回答した人が多かったものの、実際に彼らにTABで気になるイベントを探してみてもらったところ、興味のある展覧会を自分で見つけることができた。また、「料金が高そう」「時間がないから」と答えた人でも、興味のあるバレエの舞台になら自分で1万円出すし、好きなブランドの洋服にはお金もかける。それに、趣味のカラオケに行ったり映画を見たりする時間だってあるのだから、アートイベントに行く余裕だってあるはずだ。

・やっぱりアートには興味ないのか…と思いきや!?
そんな彼らだが、実はなんと全員が、自分の行動範囲や興味において「アート情報が足りない」と回答。もともと「興味があれば一人でも行動する」という回答者が多く、その半数が実際に最後(半年〜2年前など)に行った展覧会には「自分で興味を持って」行ったと答えた。ということは、質のいいアート情報さえ自分のもとに集められれば、アートに興味を持ってくれる人 … そう、将来のTABヘビーユーザーのような人 … も出てくるかも知れない。

・つまり、高い知識欲を持っている
今回の回答者には一般学生も多く、理系の大学院の人や、学部でゼミや勉強に力を入れている人など、勉強好きなタイプが見受けられた。彼らは、美術館へ行くのにも、今すでにある教養をさらに高めてくれるようなもの、つまり学びがあるかどうかを重視したいと語った。「作家に会えるなら行く」という意見もあり、作家のバックグラウンドや制作方法・制作過程や、作り終わったあとの心境にも興味があるということだった。

これらの結果だけでもTABとしては、より多くの人に、美術に興味を持ってもらえる可能性を感じることができました。
…が、「ちょっと待ってちょうだい。私の彼氏はどうなるの?どうやってアートデートに持ち込めばいいのよ。」という女性ユーザーのみなさん、落ち着いてください。
今回、TABの特製 YES/NOチャートを作成!!

あなたの彼はどのタイプ?


Aタイプの彼は…
彼は、楽天家・直感判断型。

このタイプは、とにかく友達と騒いで遊ぶのが好きで、そのときに楽しいことを直感的に楽しむ人が多い。楽観的で興味の幅が広く、飲み会では幹事を務めたり、ロックフェスに泊まりがけで行くなど非常にイベントに積極的な人。もちろん友達付き合いは多く、Facebookには思い出を示す多くの写真・タグ付けが。なかなか興味が長続きしない一面もあるが、新しいことを追い求めるアイデアマンでもある。

■彼が好きそうなアートイベントは?
このタイプは基本的に異性へのアプローチが積極的で恋人作りもうまいから、そんな彼の心を射止めたあなたも魅力的な女性に違いない。行動範囲の広い彼なので、遊びやデート、食事のあとなど、あまり下調べをすることなく何かのついでにふらっと立ち寄れる気軽さが吉。ギャラリーの密集地帯・銀座や、おしゃれな町並の片隅にギャラリーが点在する表参道などへ繰り出した際には、周りに沢山のギャラリーがあることをぜひ思い出してみてほしい。さらに、旅行で遠出することが多ければ、期間限定の芸術祭(「瀬戸内国際芸術祭」など)に訪れたり、その土地の美術館(金沢21世紀美術館など)へ車で訪れるのも上級者的な楽しみ方。地方の観光やグルメを兼ねて存分に満喫できる旅になるだろう。お互いに新しいもの、楽しいことを見つけ合い共有し合えば、二人の仲は深まるに違いない!

■彼におすすめ、イベントの探し方
ゲーム感覚で興味のあるイベントをその場で発見できるTABアプリの「周辺検索」をおすすめしてみよう!

■この時期おすすめのイベントは
「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」
「東京アートミーティング アートと音楽 – 新たな共感覚をもとめて 」展
「会田誠展:天才でごめんなさい」


Bタイプの彼は…
彼は、のんびり・温和型。

このタイプは自分を表現するのはあまり得意ではないが、人間関係においては協調性に富み、いつも穏やかで一緒にいて安らげる人が多い。相手をありのままに受け入れる包容力と思いやりにあふれているので、みんなから愛されるキャラクター。休日は趣味の時間でのんびり過ごすことが多いが、安定志向が度を超えると優柔不断になりがちで発展が遅れる傾向にあるので、本当に行きたいイベントもタイミングを逃してしまうことがあるかも知れない。

■彼が好きそうなアートイベントは?
このタイプは、異性との恋愛があまり得意ではない可能性が高いので、デートプランを綿密に立てるのはニガテかも。でも内心そんな彼にもリードしてほしいと思うのが女心。一人で行動するには決断力が少々足りない彼には、彼がプランを立てやすい環境をそっと揃えてあげるのがベスト。あくまでも彼が選んでいるように誘導しつつ、あなた自身が行ってみたいイベントもきちんとおねだりしておこう。綿密なプランを立てずとも数多くの催しで夜通し楽しめる「六本木アートナイト」のようなイベントもオススメだ。事前に彼がどのようなことに興味があるのかをしっかりと把握して、それをプラン作りに活かして二人で一緒に楽しく計画を練ってほしい。あなたが楽しんでいる姿を見れば、彼の自信にもつながり、エスコートしてくれる理想の彼氏に変身を遂げてしまうかも知れない。

■彼におすすめ、イベントの探し方
フリーペーパーTokyo Art Map を渡して、気になるイベントを一緒に探してみよう!
会期がないので急かされずに済む常設展から探すのもおすすめ。

■この時期おすすめのイベントは
「東京国立近代美術館 60周年記念特別展 美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」展
「オープン・スペース 2012」展
エルネスト・ネト「Madness is part of Life」


Cタイプの彼は…
彼は、独創的・感性型。

このタイプは、少々ロマンチストで、小さなことにも思想やこだわりを持っている人が多い。興味の幅は広く色々なことにアンテナを張っていて、気になることや新しく知ったことを、すぐに深いところで自らの知性に変えることができる。そして自分が得たことを気のおけない友人や恋人と、共に語り合いたい性格。自身のTwitterで平凡なことをつぶやくことはなく、おそらくフォローするよりもフォロワー数の方が多いタイプで、普段の交友関係に収まらない範囲のコミュニティをもつ。内面にまで踏み入られるような、自分の空間を侵害されることを嫌がる面もあるが、しっかりとした「自分」をもっており、感性や美的センスに富んでいる。

■彼が好きそうなアートイベントは?
恋愛も含め人間関係においては特別な結びつきを求めるこのタイプは、本来芸術的な分野への興味が非常に高く、自分が気になっているキーワードやジャンルのイベントには、一人でも積極的に足を運ぶことになりそうな、まさにアートファン予備軍。西洋の宗教芸術などその時代の思想が強く反映された作品の展示(「ラファエロ」展など)や、沢山のコンセプチュアルな現代アート作品が見られるアートフェア(「アートフェア東京」など)のような場所は間違いなく楽しめるだろう。また、彼は興味を持ちさえすればとりあえず足を運ぶタイプ。どちらかと言えば普段は彼がデートプランを考えることが多いかも知れないが、たまにはあなたの方から誘ってみるのも吉。感想を1時間は語れそうな彼なので、観賞後にゆっくりと語らうひと時も大切に。お互いに話し合うことが、何か感動をもたらすものになると感じれば、彼にとってあなたは特別なパートナーになるだろう。

■彼におすすめ、イベントの探し方
TABのTwitterをフォローし、興味のあるワードの入っているイベントに足を運ぶのがおすすめ!
気になる作家のアートトークも、知性を深める絶好の機会になりそう。

■この時期おすすめのイベントは
「MU[無] – ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」展
 坂口恭平「新政府展」
「エルメス・エディター『影の色』杉本博司展」


Dタイプの彼は…
彼は、研究肌・知識追求型。

このタイプは、学問・哲学など、学ぶことが好きで、何かに夢中になると自分の研究のごとく膨大な知識量を得ていく人が多い。あまり恋愛上手なタイプではないものの、誠実でウソや裏表がなく、分析力に長け頭の回転が速い彼の姿にあなたも魅了されたのでは。普段は寡黙で人とコミュニケーションをとったり大勢の前で話すのはあまり得意ではないが、恋人や少数の親しい友人と話すときは自分の専門分野について語ってくれる。恋人にもあまりうるさいことを言ったり束縛しないので、無理のない関係が築ける。

■彼が好きそうなアートイベントは?
このタイプは思いを表現するのがあまり得意ではないので、「私のことを本当に好きなのかしら?」と愛情確認をしたくなることもしばしば。でもそこは焦らず、彼の魅力を振り返ってみてほしい。学者肌の彼は、アートも知識獲得の手段であるとの認識が高いだろう。気になる人物や分野について、より深い新しい知識を得られるのであれば足を運ぶ可能性が十分にある。しかし逆に、全く知らない作家の展覧会にはあまり行く意義を見いだせないだろう。作家在廊のギャラリーで、作家のバックグラウンドや作品作りの経緯を本人の口から聞けることなどに興味を示すかも知れない。哲学的な要素が多いものやコンセプチュアルなアート(「MOTアニュアル2012」など)にも高い興味を示すだろう。本好きな彼なら、クリエイティブな本が揃うブックショップ(代官山T-SITENADIFFなど)でのデートもオススメ。彼は自分が興味のあるものがはっきりしているため「○○君って~が好きだったよね?」とうまく誘導しつつ、興味のあるイベントの発見に彼自身に行き着いてもらうのが一番早そうだ。彼の選んだ展覧会に積極的について行って、一緒に知識を深めていっては!

■彼におすすめ、イベントの探し方
TABのHPを紹介して、自由にジャンル検索をして、興味のあるイベントを見つけてもらおう!

■この時期おすすめのイベントは
 山下保博 「Tomorrow – 建築の冒険 -」
「アノニマス・ライフ 名を明かさない生命」展
「田中一光とデザインの前後左右」展

—— いかがでしたでしょうか?
彼のタイプに近い人を見つけることはできましたか?このチャートを活かしながら彼と新しい思い出を築き上げてほしいものです。
しかし、一番大事なのはそこで喜ぶあなたの姿だと思います!自分の誘いで、普段あまり足を運ばない場所に行ってくれたら、彼に感謝の言葉を伝えてあげて下さい!アートを通して語り合うことで、また新しい彼の一面が見えてくると思うし、彼にとってもまたしかり。アートが特別な思い出に結びついていただければTABとしても嬉しいです!
アートデートで、二人の仲を深めて下さいね。

田中希(企画・構成):踊るのも観るのもほかには譲れない、クラシックバレエが人生の一部かつ超重要部分の大学生。心を揺さぶるという点ではバレエもアートも変わりなし。感情を表現するための多様な手段に触れてみたい。空いた時間で黒猫の撮影とパン屋さん巡りを。

Kohei Tsurumoto(執筆):バウハウスの展示とオラファー・エリアソンの作品に感銘を受けてデザインとアートの世界に興味を持つ89年生まれの大学生。編集者目指して活動中。

湯浅典子(イラスト):東京都出身。多摩美術大学グラフィックデザイン学科在学。目指すは、人の「きになる」を刺激するデザイン。手描きの暖かみを大切にしながらポップな作品を創作中。ちいちゃいものとへんてこなものが大好き。趣味はホルン演奏。万事、楽しく続けることがモットー!

TABインターン

TABインターン

学生からキャリアのある人まで、TABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。3名からなるチームを4ヶ月毎に結成、TABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中! 業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、TABlogでも発信していきます。