暗い深海に潜む生物、また、地底から掘り起こされた鉱物や、宇宙を横切る隕石をも彷彿とさせる、様々な形状をしたガラス作品。約30〜70cmと、サイズはそこまで大きくないのだが、それよりずっと大きく感じるのは、そのずっしりとした存在感と光の効果ゆえであろうか。ひとつひとつの作品をじっくりと見据えていくうちに、それまで自分と作品との間にあったひんやりとした空気が、一変して何ともいえない暖かさ、そして力強い、母性のようなエネルギーへと変化していく。
鮮やかな色彩や装飾的造形に頼ることなく、透明なガラス、そしてシンプルなフォルムで勝負する三嶋。シンプルであるからこそ、作品に込めた彼女の思いがダイレクトに伝わってくる。100年後、そして更にその先の未来、三嶋の作品はどこに存在しているのだろう。三嶋の願いどおり、博物館の陳列棚に展示されているかもしれない。今と変わらぬ、どこまでも透明な輝きを放ち、時代を超えて、見る者の心をしっかりと捉え続けていることだろう。