エイドリアン・バーグ シェフィールド公園 1985-86年 秋 1985〜1986
広島市現代美術館にて、イギリスの風景画家エイドリアン・バーグの日本での初個展「エイドリアン・バーグ:無限の庭園」が4月12日まで開催中。約50年に及ぶ画業を通覧する本展は、初期作から晩年の大作まで、豊富な関連資料とともに国内で初めてその全貌を紹介する貴重な機会となっている。

20世紀後半のイギリスを代表する風景画家のひとり、エイドリアン・バーグ。1929年ロンドン生まれの彼は、著名な心理学者を父に持ち、ケンブリッジ大学で医学を学んだのち芸術の道へと転身。チェルシー・スクール・オブ・アート、セントラル・セント・マーチンズを経て、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)に進学した。同期にはR.B.キタイ、ポール・ハクスリー、そしてデイヴィッド・ホックニーといった後世に名を残す画家たちがおり、バーグは才能と人柄の良さを兼ね備え、際立った存在だった。ホックニーへの影響は創造的側面と社会的側面の双方に及び、同性愛が犯罪とされていた時代に公然とゲイであることを表明したバーグは、若きホックニーにとって重要なロールモデルでもあった。


RCA卒業後はコマーシャルギャラリーと美術館の双方で精力的に作品を発表する傍ら、セントラル・セント・マーチンズやキャンバーウェル・カレッジ、そして母校RCAで後進の育成にも情熱を注いだ。機知に富んだ教育者として学生たちからも愛されていたという。