公開日:2026年6月11日

手塚愛子、渡辺志桜里、藤倉麻子が「都市」を問う。京橋・TODA BUILDINGのパブリックアート「APK PUBLIC」第2弾が開催

「APK PUBLIC Vol.2 未完の都市:The Becoming City」が、2027年11月30日まで開催中

手塚愛子 生きるものを容れるもの(戸田建設史からのスタディ) 2026

近代都市の記憶を織物の層に

「APK PUBLIC」は、新進のアーティストやキュレーターが手がける大規模な作品発表の場として、京橋のTODA BUILDINGの共用空間を舞台に、入れ替わりながら更新されていくパブリックアートを展開するプログラムだ。第2弾となる本展は、キュレーターに藪前知子(東京都現代美術館学芸員)を迎え、「未完の都市:The Becoming City」をコンセプトに掲げる。手塚愛子藤倉麻子渡辺志桜里の3名のアーティスは、戸田建設の本社のパブリックスペースのために制作した作品で、「都市とは何か」を問いかける。展示期間は2027年11月30日まで。

エントランスでまず鑑賞者を迎えるのは、手塚愛子による作品だ。解体と構築を繰り返してきた近代都市の歴史が、ここでは幾重もの層となって体感される。手塚は、織物や刺繍をほどき、編み直すという手つきによって、布に蓄積された時間や歴史を可視化してきた作家である。絵画への問いを出発点としながら、布をたんなる支持体としてではなく、手仕事と技術、そして制度が交差する構造体としてとらえ直してきた。

手塚愛子 生きるものを容れるもの(戸田建設史からのスタディ) 2026
手塚愛子 生きるものを容れるもの(戸田建設史からのスタディ) 2026

ここで展開されるのは《生きるものを容れるもの(戸田建設史からのスタディ)》というインスタレーションだ。高い天井から複数の織物が吊り下げられ、地図、複数の言語で書かれた買い物メモ、多様なデザインのジェルネイルといったモチーフが組み合わされている。マーシャル諸島の海図に着想を得た作品や、近代の織物史と万博を題材とした作品に加え、新作の西陣織では、江戸末期から現在に至る東京中心部、戸田建設本社周辺を含む土地の変遷が織り込まれている。

手塚愛子 生きるものを容れるもの(戸田建設史からのスタディ) 2026

エントランスにとどまっていると、どこからか何かを叩く音が聞こえてくる。その出どころは2階に隠されているので、エスカレーターでひとつ上の階へと向かおう。

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