公開日:2026年3月17日

女性芸術家再評価の新たなモデルを提示する。生誕150周年記念「グウェン・ジョン:ストレンジ・ビューティー」(カーディフ国立博物館)レポート(文:伊藤結希)

静謐な女性像で知られるウェールズ出身の画家を、新たな視点からとらえ直す回顧展。従来のグウェン・ジョン受容史を克服しようとするキュレーションの試みに注目

黒猫を抱える若い女性 1920 撮影:筆者

...

過去最大級の包括的な回顧展にして国際巡回展

ウェールズ出身の画家、グウェン・ジョンの回顧展「グウェン・ジョン:ストレンジ・ビューティーズ(Gwen John: Strange Beauties)」が、イギリス・ウェールズのカーディフ国立博物館にて開催されている。会期は、2月7日〜6月28日。

青いドレスの少女 1915 撮影:筆者

グウェン・ジョン(1876〜1939)は、静謐で瞑想的な雰囲気の女性像で知られる画家だ。いずれの作品もスケールは小さく、特徴的なくすんだ色味を持つ。ロンドンの美術学校で学んだあと、生涯のほとんどをフランスで過ごした。

日本での知名度はまだ低いが、ほかの多くの女性作家と同様に、男性中心のモダニズム史に埋もれた才能として再評価が進んでいる。余談ではあるが、2024年から25年にかけて国立西洋美術館の小企画で特集されたオーガスタス・ジョンは、グウェン・ジョンの弟である。

生誕150周年を祝して出身地のウェールズから始まる此度の回顧展は、初期から晩年までを射程に収めた大規模展覧会となる。カーディフ国立博物館のあとは、スコットランド国立美術館(8月1日〜2027年1月4日)を経て、アメリカ・ニューヘイブンのイェール・ブリティッシュ・アート・センター(2027年2月18日〜6月20日)とワシントンD.C.の国立女性美術館(2027年6月30日〜11月28日)へ巡回予定。

...

Tokyo Art Beat Mail Magazine

アートの最新情報を、毎週お届けします。
登録は無料です。