
会場風景
比治山の丘に立つ広島市現代美術館は1989年に公立館としては国内初の現代美術を専門とする美術館として開館した。設計はメタボリズム建築を代表する建築家・黒川紀章。古代ヨーロッパの広場を思わせるアプローチプラザやユニークな三角屋根を特徴とする、ポストモダン建築の代表作として知られる。開館以来「戦後の現代美術の流れを示す作品」「ヒロシマと現代美術の関連を示す作品」「若手作家の優れた作品」という3つの方針のもと、デザインや建築の分野にも目を向けながら収集を続けてきた。
2020年からの改修工事を経て2023年3月にリニューアルオープンした際、大きく変わったのは企画展とコレクション展の会場配置だった。黒川の設計では入り口側にコレクション展示室を置く構成が前提だったが、特別展中心の運用が続くなかで両者の位置が入れ替わっていた時期があったという。リニューアルではこれを見直し、コレクション展を入り口側に戻すとともに展示室を4部屋に分割、それぞれを独立した空間として扱う体制に改めた。

リニューアルオープンから3年、今年はコレクション展を1年を通じて同じ担当者が展示を手がける体制を試みている。展覧会替えのたびに内容を一新するのではなく、作品を少しずつ残しながら周囲を変化させる連続性のある展開を試みる狙いだ。

今年度の年間テーマは「美術館の時間」。そして第1回となる本展は、「コレクション展2026-Ⅰ 美術館の時間_チャプター1:タイムマシーン」と題し、美術作品に刻まれている様々な時間に焦点を当てる。担当学芸員は松岡剛。会期は6月27日から9月23日まで。