
会場風景 撮影:黄治宇
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京都市京セラ美術館で、「コレクションルーム夏期 特集『詩情の画家、塩川文麟と近代京都の日本画』」展を対話しながら巡るイベント「副館長&作家と話そう! in コレクションルーム 夏期」が8月16日に開催された。司会からの説明にとどまらず、鑑賞者からの自由な発話や、双方向のコミュニケーションを積極的に促す本イベントが、なぜ企画されたのか。その狙いや背景を聞いたインタビューとともに、当日の様子をレポートする。
本イベントは、ビジネスパーソンや一般向けの文化・芸術プログラム「Biz(ビズ)ミュージアム関連プログラム」の一環で、同館の小林中(あたる)副館長と、京都を拠点にする気鋭の日本画家・松岡勇樹が企画・発案。今年1月の冬期コレクション展の会期中に初開催し、参加者から好評だったことから、再び夏期の開催が決まった。

お盆休み最終日となったこの日、館内は海外からの観光客よりも、国内客や地域の方々が、家族や友人らと思い思いにゆったり過ごしている印象を受けた。イベントは定員10名、午前と午後の2回開催。事前申込は不要で、コレクションルームの鑑賞券のみで参加できたこともあってか、午前の部は15名ほど、取材した午後の部は25名ほどが集まっていた。
イベント冒頭、小林中副館長と松岡からイベントの趣旨や開催の経緯が語られた。
「副館長になる10年ほど前から、美術好きが高じてアートギャラリーなどを個人的に巡っていました。美術を専門的に学んだ経験はなかったものの、作品はいろんな見方・楽しみ方ができると実感していたのです。3年前、京都市職員として人事異動で、偶然にも副館長という立場になり、来館者の皆さんと作品の多様な楽しみ方を共有できたら、と考えていた一環で、松岡さんと始めたのがこのイベントです。作品を見て、自分の気持ちに気づいたり、作家の意図や想いに想像を巡らせたり、描かれた時代背景などの知識を学ぶことで作品の見え方が変わったり。皆さんそれぞれに異なる見方や気づきがあるはず。ぜひ気軽にお話ししてほしい」と、小林副館長は挨拶した。
続いて松岡も、「小林副館長や美術館の職員の方々の協力で、冬期に続いて開催できて、嬉しいです。本当に素朴な疑問、ふと思ったことでもなんでも構わないので、たくさんお話ししながら見ていきましょう」と笑顔で参加者に語りかける。
そもそもの企画のきっかけについて松岡は、「もし自分のような画家や作り手と参加者が、あれこれざっくばらんに話しながら鑑賞できたら──たとえば、作家だからこそわかる道具や技術のこと、描くときの難易度などを聞けたら、参加者の“作品を見るものさし”に作り手の視点が加わり、鑑賞がより面白くなったり、プラスアルファの楽しみにつながったりするのでは?」と考えたことを明かした。
