
ミラノ郊外の巨大展示会場「フィエラ・ミラノ」で開催される、世界最大規模の国際家具見本市、「ミラノサローネ」。その開催に合わせ、市内のショールームやイベント会場でも多くの展示が行われる。それらを総称し「ミラノデザインウィーク」と言う。とくにファッションブランドによる展示は、インクルーシブなファッションショーとは違い、誰でもその世界観を味わうことができるため大行列となる。今回、話題を集めた10の展示を紹介する。
今年もラ・ペロタを舞台に新作を発表したエルメス。展示空間のディレクションは、エルメス メゾン・ユニバースのアーティスティック・ディレクターであるシャルロット・ペレルマンとアレクシィ・ファブリ。会場は、通路をさまよう旅人の足取りから線や遠近が立ち上がるというコンセプトで、街並みのような構成になっていた。

新作のなかでも際立っていたのが、エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーによるテーブル「スタジアム・ドゥ・エルメス」だ。8の字のような大理石のテーブルは、馬の背や競馬場のトラックを思わせる流線形。テーブルの縁の部分を嵌め込むマルケトリ技法で作られており、高い職人技がないと成し得ない造形を実現していた。

また昨年はガラスのプロダクトが登場したが、今年はメタルが登場。花瓶「パラディオン・ドゥ・エルメス」は、槌目のメタル、ホースヘア、レザー、カシアウッドといった異素材が組み合わされ、銀細工の輝きが現代的なオブジェへと昇華された。

今年は例年よりも更に、上質な素材と一流の職人による手仕事の精度が際立つオブジェが会場に並んだ。