公開日:2026年9月3日

「多田美波―光、凛と ゆれる」(東京都現代美術館)レポート。生涯をかけて追い求めた、光のかたち

絵画から光造形、そして野外彫刻まで集結。会期は8月29日〜12月6日

会場風景

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光を彫りつづけた多田美波

東京都現代美術館では、戦後日本を代表する抽象彫刻家・造形作家、多田美波(1924〜2014)の大規模個展「多田美波―光、凛と ゆれる」が開催されている。会期は8月29日から12月6日まで。担当学芸員は小高日香理(東京都現代美術館学芸員)、田村万里子(東京都現代美術館学芸員)。

会場風景

多田美波は1924年、鉱山技師だった父の赴任先である台湾・高雄に生まれ、4歳のときには次の任地である朝鮮・京城(現在のソウル)に移り住んだ。1941年に女子美術専門学校(現・女子美術大学)に進み油彩画を専攻、1944年に繰り上げ卒業したのち京城に戻り、そこで終戦を迎えた。戦後は栄養失調による療養期間を経て、1956年に二科展で初入選、翌年には読売アンデパンダン展にも出品を果たす。1957年、東京・炭労会館のためのレリーフ《炭鉱》を手がけたことをきっかけに建築空間との協働へと歩みを進め、1962年には多田美波研究所を設立。半円球のアクリルにアルミニウムを蒸着した《周波数37306505》(1965)やステンレスの野外彫刻《キアロスクーロ》(1979)といった代表作のほか、皇居新宮殿の《光造形》(1968)、帝国ホテル東京の光壁《黎明》(1970)、リーガロイヤルホテル大阪の照明《瑞雲》(1973)など、建築と一体になった仕事も数多く手がけた。生涯でおよそ200点の彫刻と500点に及ぶ建築空間のための作品を残し、2014年に逝去している。

会場風景
多田美波 オートシンクローネ 1973/2026

会場には、初期の絵画、各時代を代表する彫刻、そして多田が「光造形」と名付けた照明作品まで、およそ70点が並ぶ。あわせて、建築造形のパーツや写真、ドローイングなどのアーカイヴ資料も展示されている。会場は章立てで区切られておらず、時代を追うように、歩いて確かめられる構成になっている。ここでは、会場の流れに沿って本展の見どころを紹介していきたい。

会場風景
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