
「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」(国立新美術館) 2026 会場風景
20世紀を代表する画家パブロ・ピカソ(1881〜1973)と、イギリスを代表するファッションデザイナーであるポール・スミス(1946〜)。アートとデザインという領域を横断し、ふたつの才能が時を超えてコラボレーションする展覧会「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」が、東京・六本木の国立新美術館で開幕した。会期は9月21日まで。
本展はパリ国立ピカソ美術館が所蔵するピカソの作品にインスピレーションを得て、スミスが独創的な会場レイアウトを考案する、というユニークな企画。2023年にピカソ没後50周年を記念してパリで開催された特別展「Picasso Celebration: The Collection in a New Light!」をもとにした国際巡回展で、日本では国立新美術館が唯一の開催会場だ。同館とパリ国立ピカソ美術館の協働は2008年の「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展以来となり、同館所蔵作の来日は18年ぶり。

パリ国立ピカソ美術館では、ピカソの没後50年にあたり、功績をたんに褒め称えるのではなく、それが現代において何を意味するのかを問うべく、スミスと同館コレクションの対話による展覧会を企画した。同館キュレーターのジョアンヌ・スヌレッシュは、「ピカソは自身のキャリアを形成した展覧会において、つねに観客に新しい発見をさせ、ショックを与えていた。ポールとの協力により、そうしたピカソの特徴が現れる展覧会になっていると思う」と語る。担当学芸員の米田尚輝(国立新美術館 主任研究員)は、歴史的建築であるパリのピカソ美術館と近代的な国立新美術館の違いを踏まえながら、スミスが細部までこだわった展示空間を作り上げたと明かした。

スミス自身はこう話す。「私がピカソから学んだのは、好奇心、そしてシンプルなデッサンや古典的なドローイングからコラージュ、陶芸に至るまで、つねに新しいアイデアや表現方法に興味を持ち続けた姿勢です。私はファッションの世界に携わって55年になるが、それは私自身のやり方とも重なる」。さらに自身はピカソの専門家ではないとしたうえで、「この展覧会のテーマは、ピカソがいつもオルタナティヴな視点で物事をとらえていたということ──おそらく、それが本展の鍵です」と話した。
