
笹岡由梨子 渦巻 2026
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千葉県の高滝湖畔に佇む市原湖畔美術館で、「暗闇をくぐってみたら Part2 笹岡由梨子展『渦巻』」展が開幕した。会期は7月18日から9月23日まで。
同館は今年1月から4月にかけて改修工事のため完全休館していたが、9月まで部分的開館のかたちをとりながら、作風の異なる2組の作家による劇場型の連続個展を展開している。竹内公太による「暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展『のののののまつり』」に続く第2弾は、キャラクターや歌を軸にした独自の物語空間で知られる笹岡由梨子を迎えた。
1988年、大阪府生まれの笹岡は、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程メディア・アート領域満期退学。2022年に滋賀県へ拠点を移して以降、国内外で活動の幅を広げてきた。「京都府文化賞奨励賞」「咲くやこの花賞」など受賞歴は多く、近年は個展「Animale」(PHD Group、2025)や「笹岡由梨子のパラダイス・ダンジョン」(滋賀県立美術館、2026)を開催している。10月から青海・天王洲エリアで開催される国際美術展「TOKYO ATLAS」への参加も控えており、いまもっとも注目を集める作家のひとりと言えるだろう。

「暗闇をくぐってみたら」シリーズが掲げるのは、ふだんは閉ざされている入口の先に広がる「もうひとつの世界」を描き出すという構想である。同館の建築や周辺地域の資料を読み込むなかで笹岡が目を留めたのは、ダム建設によって湖底に沈んだ村の記録写真、そして同館の前身である観光・文化施設「市原市水と彫刻の丘」の原点となった「水中彫刻公園」構想図だった。かつての住人への取材とリサーチを重ね、笹岡は洪水に翻弄されながらも水上に新たな風景を思い描いたこの土地の歩みを、身体表現と空間表現によってもうひとつの地域史として組み立て直している。ミュージアムショップの奥に隠された入口をくぐり、暗闇の先に広がる物語をたどってみたい。
