公開日:2024年4月11日

「中銀カプセルタワービル」のカプセルに泊まる。神奈川県に宿泊施設が開設へ

「中銀カプセルタワービル」は、1972年建築家の黒川紀章氏が設計した集合住宅。サンフランシスコ近代美術館、和歌山県立近代美術館など、国内外の商業施設や美術館で展示されている

中銀カプセルタワービル  写真提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

都市建築・メタボリズム建築の象徴として注目された銀座8丁目「中銀カプセルタワー」が「泊まれるカプセル」として再生される。株式会社エンジョイワークス「カプセルヴィレッジプロジェクト」において、2024年秋に神奈川県横須賀市の「長井海の手公園ソレイユの丘」に宿泊施設として開設される。

2022年に惜しまれつつ解体された「中銀カプセルタワービル」は、1972年に建築家の黒川紀章が設計した集合住宅。建物を構成していた140個のカプセルのうち、23個を「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」黒川紀章建築都市設計事務所監修のもと、保存・修復。サンフランシスコ近代美術館和歌山県立近代美術館など、国内外の商業施設や美術館で展示されている。

内装デザイン前のオリジナルカプセル内部
解体後、千葉県の倉庫に並べられた23個のカプセル 写真提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

「カプセルヴィレッジプロジェクト」は、オリジナルカプセル5つを、相模湾・富士山・湘南を望む横須賀市の「長井海の手公園ソレイユの丘」を舞台に「宿泊できるカプセル」として宿泊施設に再生。中銀カプセルタワーのコンセプトである、メタボリズム(新陳代謝)は、細胞のように時代に応じて自在に移動・成長するもの。その可動性をいまここに実現させ、新たな場所で新陳代謝すべく、異なる表情を見せる宿泊施設に生まれ変わる。

長井海の手公園ソレイユの丘
左:「無印カプセル」 右:ヴォロディミール・デレズニチェンコ氏がデザインしたカプセル 写真提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

開業に向け、カプセルをリノベーションするクリエイターを募集している。これまで、「中銀カプセルタワービル」は、現存当時の2019年に無印良品がインテリアをコーディネートした「無印カプセル」や、ウクライナ人建築家のヴォロディミール・デレズニチェンコなどとのコラボレーションが実現してきた。「カプセルヴィレッジプロジェクト」もアーティストや建築家、デザイナーなどのクリエイターや企業とコラボレーションし、作り上げていく。詳細は、公式ウェブサイトをチェックしてほしい。

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