公開日:2023年2月20日

アートバーゼル香港2023は3月23日から25日に一般開催。32の国と地域から177のギャラリーが集結

ピピロッティ・リストの巨大インスタレーションもM+に登場

アートバーゼル香港2022 Courtesy Art Basel

内容充実のバーゼル香港と、同時期開催の展覧会&おすすめアートスポットを紹介!

2019年以来、過去最大規模となるアートバーゼル香港2023の詳細が発表された。一般開催は2023年3月23日から25日、招待制の内覧会は21日から先行スタートする。

アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカの32の国と地域から177軒のギャラリーを迎える今回は、「今この時、この瞬間」をテーマに大型インスタレーション13作品を紹介する企画「エンカウンターズ」、アーティスト、ギャラリスト、キュレーター、批評家、コレクターらによる対話を無料公開する「カンバセーションズ」、アピチャッポン・ウィーラセタクン『MEMORIA (メモリア)』の上映や29のビデオ作品を上映するフィルム部門など、魅力的な企画が並ぶ。

また、ピピロッティ・リストによるサイトスペシフィックな新作映像《Hand Me Your Trust(信頼を委ねて)》M+のファサードで公開されるのも注目だ。

アートバーゼル香港2022で公開されたEllen Pao《The Shape of Light》 Courtesy Art Basel

以下は主要な展示作品やイベントの概要。

エンカウンターズでは、人間の複雑な感情やその関係性を明確化するために植物の生態や無生物を擬人化する手法を採用するトレバー・イェン、作家が触れた幼少期の女性労働者の記憶に着想を得て、日用品に使用された生地で作られた14メートルのパ ッチワークと、工業用トロリーで作られた6つの椅子で構成されたジャファ・ラムの新作、現代の都市人口の大多数を構成する労働者を描くギムホンソック、ウクライナのスタニスラワ・ピンチュクによる移民の旅路とホスピタリティの概念を描写した大理石の作品などが登場。エンカウンターズに出品する作家・ギャラリーはこちらのリンクから確認できる。

カンバセーションズのトークセッションでは「ビエンナーレの未来」「公共と民間の支援事業の相乗効果について」「フェミニズムを超えた連帯について」などのテーマをラインナップ。「制度的観点から見た多極化のナビゲーション」には森美術館館長の片岡真実も登壇する。

アートバーゼル香港2022 Courtesy Art Basel

また、バーゼル香港会期中には香港各所文化施設でも様々な展覧会やイベントを開催。草間彌生の大回顧展「草間彌生: 1945年から現在」が開催中のM+をはじめ、高橋瑞木がディレクターを務めるCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)では「Clouds, Power and Ornament ‒ Roving Central Asia (雲、権力、そして装飾 - 中央アジアを駆け巡る)」などが開催される。現在公開されている企画は以下のとおり。

1a スペース
「Bon Voyage(良い旅を)」

• アジア・アート・アーカイブ
「The Collective School(コレクティブ・スクール)」

アジアソサイエティ・香港センター
「Fire(ファイヤー)」

CHAT
「Clouds, Power and Ornament ‒ Roving Central Asia (雲、権力、そして装飾 - 中央アジアを駆け巡る)」
「Patternways: Visualizing Hong Kong in Transition(変貌する香港を可視化する)」 「Welcome to the Spinning Factory!(紡績工場へようこそ!)」(常設展)

M+
草間彌生: 1945年から現在」
「Beeple: HUMAN ONE(ビープル:ヒューマン・ワン)」
「Hong Kong: Here and Beyond(香港:この場所、そしてこの先へ)」(常設展)
「M+ Sigg Collection: From Revolution to Globalisation (M+ シグ・コレクション:革命からグローバリゼーションへ)」(常設展)
「Individuals, Networks, Expressions(個体、ネットワーク、表現)」(常設展)
「Things, Spaces, Interactions(モノ、空間、相互作用)」(常設展)
「The Dream of the Museum(美術館の夢)」(常設展)

香港アートセンター
「FILL IN THE BLANK(空白を埋める)」
「Strelnikov’s Glasses and Other Stories by The Society of the Spectacles (ストレリニコフの眼鏡とその他の物語 by スペクタクルの社会)」


香港視覚芸術センター
「Museum of Hands(手の美術館)」

香港芸術館(Hong Kong Museum of Art)
「Angel Hui Hoi-kiu Make a Wish: A Site-specific Art Installation(許開嬌の願い事:サイトスペシフィック・アート・インスタレーション」
「By the People: Creative Chinese Characters(人々によって:創造的中国語文字)」
「Freezing Water: Being Between Here and There(凍える水:こことあそこの間で)」
「In-Between(その間)」
「The Hong Kong Jockey Club Series: Joan Miró ‒ The Poetry of Everyday Life(香港ジョッキークラブ・シリーズ:ジョアン・ミロ - 日常の詩)」
「Zheng Chongbin A 10,000-Year View: A Site-specific Art Installation (ジェン・チョンビン 1万年の視点:サイトスペシフィック・アート・インスタレーション)」

オイル・ストリート・アートスペース|油街実現(Oil Street Art Space)
「Choi Sai-ho ‒ Hush-Rush(チョイ・サイ・ホウ - ハッシュ-ラッシュ)」
「Lu Yang ‒ DOKU Hong Kong Experience Center (ルー・ヤン - DOKU 香港エクスペリエンス・センター)」
「Nadim Abbas ‒ Ventriloquists’ Stone(ナディム・アバス - 腹話術師の石)」
「Joyful Tress (Arbores Laetae)」

大館コンテンポラリーアート
「Myth Makers ‒ Spectrosynthesis III(神話を創る人々- スペクトロシンセシス III)」

• ビデオテージ
「Foundation ‒ a Web3 Media Art Festival (ファウンデーション - Web3 メディアアートフェスティバル)」

バーゼル香港が開催される3月の香港は、街が一年でもっともアートに彩られるシーズン。アートフェアに併せて堪能したい。

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