公開日:2022年4月21日

アーツ前橋に新展開。アドバイザーとして萩原朔美が就任

アドバイザーの萩原朔美は前橋文学館館長

アーツ前橋外観

次期館長の選考は2023年度

2022年4月15日、群馬県前橋市はアーツ前橋のアドバイザーとして映像作家・エッセイストの萩原朔美(水と緑と詩のまち前橋文学館館長、多摩美術大学名誉教授など)の就任を発表した。

高崎市出身の物故作家2名の遺族から借用した作品を調査過程で紛失、その事実の公表を当時の館長だった住友文彦と一部学芸員が引き伸ばそうとした案件が2020年11月に公表されて以来、文化行政のあり方をめぐり議論が重ねられてきた前橋市だが、ようやく次なる展望が見えたかたちだ。

アーツ前橋外観

なお、住友は2021年3月に同館館長を退任。案件発覚後の同年4月に教授となった東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻(通称「GA」)では、本人からの申し出を受けて教授職の活動を休止している。

事務職員が館長を兼任していたものの、アートを専門とする館長不在の状態が続いたアーツ前橋。今回のアドバイザー就任は2023年3月31日までの臨時的措置だが、萩原の就任について前橋市は「前橋文学館長の職にあり、本市及び群馬県にゆかりのある人物であるとともに美術大学において教鞭をとるなど、その幅広い見識の中でアーツ前橋の事業全般に対し、適切かつ貴重な助言をいただくことができるため」と発表している。また萩原は、借用作品紛失案件を受けて、中・長期的なアーツ前橋のあり方を検討するために設置された「アーツ前橋作品紛失調査委員会」に続き、2021年6月に設置された「アーツ前橋あり方検討委員会」の委員でもあった。

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