公開日:2022年11月13日

熱海はアートで熱狂の渦に。芸術祭「ATAMI ART GRANT 2022 - 渦 - Spiral ATAMI - 」フォトレポート

熱海駅周辺を中心に、公募アーティスト30組、レジデンス参加アーティスト20組が展示

Hashel Al Lamki 《Lucy》

静岡県の伊豆半島に位置し、昭和風情溢れる街並みが近年再脚光を集める熱海。ソーシャルメディア上で大反響となった1回目に続いて、2回目となる「ATAMI ART GRANT」がスタートした。会期は11月3日〜11月27日。

「ATAMI ART GRANT」とは、熱海の魅力をアートで再発見することを目指したアートプロジェクト「PROJECT ATAMI」の取り組みのひとつで、アーティストの制作活動支援を目的とした活動だ。

今回は「渦 ‒ Spiral ATAMI」をテーマにしたさまざまな作品に、熱海市内各所で出会うことができる。会場はACAO SPA & RESORTのほか、熱海駅周辺を中心に21ヶ所に点在し、公募アーティスト30組、「ACAO ART RESIDENCE」参加アーティストによる20作品を展示している。

森貴之 《View Tracing #4 "KUROSHIO"》

参加アーティストは、ARIKA、飯川雄大、内田涼、大野光一、小畑亮平、Gali Sharf、岸裕真 、島田清夏、添田奈那、髙木彩圭、髙橋銑、田中勘太郎、Daniel Campbell × Laure Julien × Kana Kitty、中島崇、NTsKi、ニミュ、丹羽優太 × KEITAMARUYAMA、BIRDMAN、vug、Hashel Al Lamki、深田拓哉、藤田クレア、布施琳太郎、MANTLE(Shu Isaka + Soshi Nakamura)、MES、森貴之、やんツー、やんばる・いってみ隊!(金島隆弘 × 佐々木真純 × 杉本裕一)、Lamya Gargash、waiwai research and design agency。

冨安由真 《Unison_Circle》 展示はこの扉の先と、対になる《Unison_Circle_Reverse (The Passageway)》から、VRの空間につながっている
小金沢健人 《fancy panic lucky wars 13 circus go four ufo target pro capriccio》

田中勘太郎 《rip⇄tide》

作品は老朽化の著しい、営業を終了しているHOTEL ACAO ANNEX(旧:ホテルニューアカオ館)のフロア内にも点在している。壮麗なシャンデリアや宴会用の空間など、懐かしくもあり、おどろおどろしくもあるが、その環境の中でのそれぞれの展示の仕方にも着目したい。

岸裕真 《Tide / Time》
森山泰地 《濡れることについて/ About get wet》

Hashel Al Lamki 《Lucy》
中島崇 《recess 2》
松田将英 《The Big Flat Now》
鈴木昭男 《点 音 “o to da te”》

ホテル内だけでもエレベーターで数フロアを行き来するほか、市内の会場には急峻な坂も多く、鑑賞には歩きやすい服装・準備が必要だ。

髙木彩圭 《無声の詩》
高橋洋平 × 小田佑二 《Reflections》

ACAO ROYAL WING

今年は新たな試みとして、NFTを活用したスタンプラリーも実施している。点在するNFT設置箇所(全20ヶ所)を巡りQRコードをスキャンすると、米澤柊と岸裕真がコラボレーションした作品を数量限定で受け取ることができる

NFTのオンライン体験が実現できる、FUN FAN NFTが活用されている
2021年度「ATAMI ART GRANT」に参加したアーティストが「熱海ビール」とのコラボレーションも。左から河野未彩、vug、Nimyu

熱海駅は品川駅からは新幹線で30分ほど。熱海駅から展示の中心地となるACAO SPA&RESORTに向かう無料送迎バスもあるほか、今年は新宿駅から直通のバスツアーもある。東京から日帰りでも鑑賞できるが、温泉や夜景も堪能しつつ、再始動した「アートの街」を味わいたい。

Xin Tahara

Xin Tahara

北海道生まれ。 Tokyo Art Beat Brand Director。