最終更新:2021年11月16日

アートの街として始動した熱海。ホテル、海、街を50組のアートが彩る「ATAMI ART GRANT」がスタート!

熱海の魅力をアートにより再発見し、目に見えるかたちにする。Color ATAMIがテーマの作品展

静岡県の伊豆半島に位置し、昭和風情溢れる街並みが近年再脚光を集める熱海で、「ATAMI ART GRANT」の作品展示がスタートした。会期は11月16日〜12月12日(*ACAO SPA & RESORTホテル館内で開催中の特別キュレーション展「Standing Ovation | 四肢の向かう先」のみ12月20日まで開催)。

「ATAMI ART GRANT」とは、熱海の魅力をアートで再発見することを目指したアートプロジェクト「PROJECT ATAMI」の取り組みのひとつで、アーティストの制作活動支援を目的とした活動を指す。今夏、「Color ATAMI」をテーマに熱海の街に彩りをつくるアーティストを公募し、30組の認定作家を発表した。

今回の作品展は30組の作家に加え、滞在制作型プロジェクト「ACAO ART RESIDENCE」に参加したアーティスト20組の計50組が、熱海各所で作品を展示する。

「ATAMI ART GRANT」会場のひとつ、ホテルニューアカオ(旧館)
ホテルニューアカオとして知られる旧館から海に目を向ければ、そこには「えらばれなかった道」と書かれた白幕が。光岡幸一による作品《poetry taping》(2021)
会場風景より、丹羽優太《居酒屋虎狼狸図》(2021)。休館中のニューアカオの宴会場を使用

「ATAMI ART GRANT」の認定作家は、evala、小田佑二、吉良加奈子、栗山斉、小松千倫、Sareena Sattapon、高木賢祐、たかくらかずき、多田恋一朗、髙橋洋平、チャラン・ポ・ランタン、中島崇、中村壮志、中村寛貴、鯰、二宮佐和子、ニミュ、ぬQ、濱口桜子、林加奈子、藤生恭平、松井照太、松田将英、水川千春、宮崎勇次郎、宮原嵩広、モノ・シャカ、保良雄、山本修路、米澤柊。

審査員の襟川文恵(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団 / 横浜美術館 経営管理グループ 渉外担当リーダー)、來住尚彦(アートフェア東京 エグゼクティブ プロデューサー、演出家)、隈研吾(建築家、東京大学特別教授・名誉教授)、中野善壽(東方文化支援財団 代表理事)、南條史生(美術評論家)、日比野克彦(美術家)によって選ばれたアーティストたちだ。

会場風景より、遠藤一郎《未来龍アカオ大空凧》

「ACAO ART RESIDENCE」の参加作家は、安部勇磨、市川平、石毛健太、遠藤一郎、大小島真木、太田光海、華雪、花坊、河野未彩、Keeenue、鈴木昭男、髙木遊、丹羽優太、BIEN、Hiro Tanaka、布施琳太郎、光岡幸一、宮北裕美、吉田山、渡邊慎二郎。

展示会場は温泉や旅館、カフェや公園など市内21ヶ所。そのなかのメイン会場のひとつは、1973年に設立し、ホテルニューアカオとして親しまれてきた旧館(現在は休館中)と、錦ケ浦を一望するリゾートホテルのACAO ROYAL WINGなどからなる「ACAO SPA&RESORT」だ。

ACAO LOBBY MUSEUM会場風景。手前が大小島真木《木と石の発芽》(2018)
ACAO LOBBY MUSEUM会場風景。手前がBIEN《Nose juggling》(2021)

ACAO ROYAL WINGのフロント付近では、今回のイベントを機に、ホテルACAO ROYAL WING1階に「ACAO LOBBY MUSEUM」がオープン。初回は、東方文化支援財団のコレクションに加え、BLOCK HOUSE/ISLANDのコレクションを中心にキュレーションした「HORIZON」展が開催。大小島真木、河野未彩、BIEN、Keeeenue、光岡幸一らACAO ART RESIDENCE参加者の作品も展示されている。

いっぽう、髙木遊企画の「Standing Ovation | 四肢の向かう先」は、現在は旧館中のホテルニューアカオの部屋を、ガイドブックの指示にしたがい順番に巡るというもの。アーティストの太田光海、渡邊慎二郎、小松千倫、多田恋一朗、中村壮志、松田将英、保良雄の7名が参加し、人工物・自然物の交わる景色を私達人間が全身で体感することにフォーカスする。

階数が隠されたエレベーターのボタン。「Standing Ovation | 四肢の向かう先」のガイドブックを頼りにボタンを押し、各展示室へ向かう
「Standing Ovation | 四肢の向かう先」会場風景より、保良雄《Fruiting body》(2021)
「Standing Ovation | 四肢の向かう先」会場風景より、渡邊慎二郎《靡く植物》(2021)
「Standing Ovation | 四肢の向かう先」会場風景より、中村壮志《回帰》(2021)

ホテルの外、シャトルバスの待合室でひっそりと展示されているのは布施琳太郎の新作。伊豆と布施の個人的な思い出とが紐づく本作は、2枚の画像が人工知能を使ってモーフィングされ、それらの画像を行きつ戻りつする。朝と夕方、2分11秒(水平線と太陽の縁が重なる時間)だけある音楽が室内に流れるという仕組みだ。

会場のひとつであるバス待合室

会場風景より、布施琳太郎《いつまでも明け続ける夜のなかで》(2021)

熱海の街ではArticle Atelier & Gallery、coffee house 茶々、かんぽの宿熱海本館、キュレーションホテル 桃山雅苑、内辰商店など特色ある場所でアーティストが作品を発表。その一部は壁画など広く人々の目につくかたちで発表されている。

築45年の保養所をリノベーションしたキュレーションホテル 桃山雅苑。壁面はvugによるもの

昭和風情の残る熱海の街並み

品川駅からは新幹線で30分ほど、熱海駅から展示の中心地となるACAO SPA&RESORTに向かう無料送迎バスもあり、アクセスは良好。再始動した「アートの街」の萌芽をチェックしてほしい。

AD

野路千晶(編集部)

野路千晶(編集部)

Tokyo Art Beat / Editor in Chief。Twitter:@nojichiaki

AD