GREEN DINING HALL 内観イメージ
野村不動産株式会社と東日本旅客鉄道株式会社が共同で開発を進めてきた複合施設「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」が9月1日から全面オープンする。浜松町ビルディング(東京都港区芝浦一丁目)の建替事業であり、東京湾岸部の浜松町駅と日の出ふ頭を結ぶエリアに位置する。設計は建築家の槇文彦。
「TOKYO&NATURE」をコンセプトにした同施設には、オフィス、ラグジュアリーホテルのほか、計27店舗の飲食専門店等が集結。オフィスユーザーだけでなく地域の人々にも開かれた空間を目指して「水」と「緑」とのつながりを体感できるふたつのダイニングホールも設置されている。

商業エリアからオフィス共用部には、青山の複合文化施設・スパイラルのプロデューサーである小林裕幸が監修したパブリックアートが複数設置されている。これらは、アートの人と自然、そして建築を”つなぐ”媒介としての可能性を追求したものだ。
なかでも注目したいのは、日本とアメリカの2拠点で活躍する現代アーティスト・フランシス真悟が同施設のために手がけた《Ring of Light》だ。フランシスは光干渉顔料を何層にも塗り重ねた、光や見る角度によってその表情を変える絵画「Interference」シリーズで知られており、2024年には国内初となる美術館での個展「Exploring Color and Space-色と空間を冒険する」(茅ヶ崎美術館)が開催されたほか、銀座メゾンエルメスで行われた現代美術のグループ展「Interference」で展示された7mを超える大型作品が話題を呼んだことことも記憶に新しい。

ほかにも、オフィス共用部から商業エリアには韓国出身の作家ベ・セファや、鈴木康広、落合陽一がプロデュースを手がけたパビリオン「null²」に参画したデザインスタジオ「WOW inc.」が手がけた作品も並んでいる。東京に誕生する新たな複合施設は、そこに設置されているパブリックアートにも注目したい。