公開日:2023年12月1日

日本の美術展で初開催となる「ブランクーシ 本質を象(かたど)る」展。2024年3月30日からアーティゾン美術館で

初期から後半期まで、約20点の彫刻作品が国内外より集結! 公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館にて、2024年3月30日〜7月7日に開催。

コンスタンティン・ブランクーシ 接吻 1907-10 石膏 石橋財団アーティゾン美術館蔵

ロダン以後の20世紀彫刻の領野を切り拓いた存在として知られる、20世紀彫刻を代表する、ルーマニア出身の彫刻家・コンスタンティン・ブランクーシ(1876〜1957)。野性的な造形を特徴とするとともに、素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練されたフォルムを追求した作品は、同時代および後続世代の芸術家に多大な影響を及ぼしたことで知られている。そんなブランクーシの創作活動が、日本の美術館で紹介される初の展覧会となる。

コンスタンティン・ブランクーシ 1924 撮影:キャサリン・ドライヤー 石橋財団アーティゾン美術館蔵
ポガニー嬢Ⅱ 1925(2006年鋳造) 磨かれたブロンズ 石橋財団アーティゾン美術館蔵

会場はパリのブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館等より借用した彫刻作品約20点に加え、フレスコ、テンペラなどの絵画作品やドローイング、写真作品を加えた計約90点で構成される。

苦しみ 1907 ブロンズ アート・インスティテュート・オブ・シカゴ蔵
眠れるミューズ 1910-1911年頃 石膏 大阪中之島美術館蔵(5月12日まで展示)


ブランクーシの彫刻作品も時代を追って紹介。アカデミックな写実性やロダンの影響をとどめた初期から、対象のフォルムをそのエッセンスへと還元させていく1910年代、そして《鳥》に代表される主題の抽象化が進められる1920年代以降の時期まで、彫刻家ブランクーシの歩みをうかがうことのできる充実した展観が実現する。

スタンディング・ボーイ 1913頃 テンペラ・紙 メナード美術館蔵
洗練された若い女性(ナンシー・キュナールの肖像) 1928-32(2013年鋳造) 磨かれたブロンズ 個人蔵
鳥 1930 フレスコ 個人蔵

また、創作者としての側面も掲示される。ブランクーシの彫刻作品にみられる、素材の性質への鋭敏な意識はまさに職人的だ。そして一貫して彫刻を創作の核に据えながらも、異なる手法でそれを相対化していく横断的なアプローチ......。同時代および、後続世代の芸術家に多大な影響を及ぼした彼の多面性にも迫っていく。

アトリエの風景、”無限柱”、”ポガニー嬢II” 1922-1925 ゼラチンシルバープリント 東京都写真美術館蔵

ブランクーシ 本質を象(かたど)る

会場:アーティゾン美術館6階展示室
会期:2024年3月30日〜7月7日
開館時間:10:00〜18:00(5月3日を除く金曜日は20:00まで)
*入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日)
入館料(税込):日時指定予約制(2024年1月30日よりウェブ予約開始)
ウェブ予約チケット1,800円、窓口販売チケット2,000 円、学生無料(要ウェブ予約)
*予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットをご購入いただけます。
*中学生以下の方はウェブ予約不要です。
*この料金で同時開催の展覧会を全てご覧頂けます。
主催:公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館、朝日新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、在日ルーマニア大使館
公式サイト:https://www.artizon.museum/exhibition/detail/572

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