左:Metal Table 112 Brass / H50×W100×D100cm 右:Metal Corner Chair 115 Copper / H75×W50×D50cm
20世紀を代表するアーティストとして知られるドナルド・ジャッド。彼がデザインを手がけた家具と美術作品が、伊勢丹新宿店で開催される「Donald Judd:Design」にて展示販売される。会場は本館2階のイセタン ザ・スペース、会期は2月7日~3月8日。

1960年代に起こった「ミニマル・アート」と呼ばれるムーブメントを牽引し、戦後のアメリカ美術においてもっとも重要なアーティストのひとりに数えられるジャッドだが、美術作品のみならずデザイナーとして家具も手がけていた。家具と美術は別個のものでありながら、ジャッドの全作品には、論理性と透明性を重視し、人工的な作為を避けるという共通した考え方がある。

ただしジャッド自身は原則として家具と美術を分けて展示しており、両者が同時に展示された機会は1993年にミュージアム・ヴィースバーデンで開催された「Art + Design」など、ごくわずかな事例にとどまる。
そんななか、本展は伊勢丹新宿店とJudd Foundationの共同によって、家具と美術作品が同時に展示販売される貴重な機会となる。ジャッドの作品に共通する考え方や、配置と空間への意識を一体として見ることができる。


ジャッドの家具に共通する特徴は、機能と造形の両立にある。今回はジャッドがニューヨークおよびテキサス州マーファの自身の空間を整えるために設計したベッド、椅子、棚、テーブルを紹介。こうした家具は木材、合板、薄版金属から作られており、それぞれの素材と用途から直接導き出されたもの。展示もこの3つの素材カテゴリーに分けて構成される。
また、家具と合わせて版画作品も展示販売。版画家としてのジャッドは、形の比率や左右の釣り合いを重視し、色の組み合わせや変化を考えるための方法を版画制作に取り入れてきたという。本展では、40年以上にわたり版画制作に取り組んだジャッドの完全な版画セット4作品が並ぶ。ジャッドの初期の版画では一色または二色が使われることが多く、後期には木版による多色刷りが用いられた。最大のセットは、20点組の木版で構成されている。

百貨店という場で、「生活との距離」という視点からドナルド・ジャッドの思想を体感できる展示になりそうだ。
【開催概要】
タイトル:Donald Judd:Design
一般会期:2026年2月7日~3月8日
会場:伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース