公開日:2022年4月2日

ダムタイプ、世界初公開の新作は《2022》。「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展」で発表へ

最新作はパンデミックの時流やインターネットの発展も反映した作品。2022年4月23日から11月27日にかけイタリアで行われる「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展」で世界初公開される。

新作のためのコンセプトイメージ © ダムタイプ 写真:福永一夫+ダムタイプ 写真提供:ダムタイプ

ヴィジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成されるグループ「ダムタイプ(Dumb Type)」は、1984年の活動開始以来、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を続けてきた。

特定のディレクターを置かず、プロジェクトごとに参加メンバーが変化するなど、ヒエラルキーのないフラットでゆるやかなコラボレーションで制作を行ってきたダムタイプ。既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして国内外で紹介されてきた。

ダムタイプ TRACE/REACT II 2020 インスタレーション 10m×10m×H6m 「ダムタイプ|アクション+リフレクション」展(東京都現代美術館、2019-20)での展示風景  © ダムタイプ 写真:福永一夫 写真提供:ダムタイプ

そんなダムタイプの最新作《2022》が、2022年4月23日から11月27日にかけてイタリアで行われる「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展」で世界初公開される。コミッショナーは国際交流基金。

新作《2022》について、ダムタイプは以下のように述べている。


展示室の中心から北・東・南・⻄の方角に置かれた4台の高速で回転する鏡にレーザーを反射させて、周囲の壁に文字を投影。1850年代の地理の教科書から引用されたテキストが、シンプルで普遍的な問いを投げかける。

回転する超指向性スピーカーからテキストを朗読する音声が流れ、音のビームとなって室内を移動し不意に鑑賞者の耳元に届く。インターネット/ソーシャル・メディアの進化・発展や、世界的に感染が拡大した新型ウイルスにより大きく変化した、人々のコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について、あるいは「Post Truth」「Liminal Spaces」について。

周囲を取り囲む言説群と対比的に、部屋の中央の空所は、どこでもない場所であり、どこでもある場所である。

ダムタイプ 2020 2020年 パフォーマンス ロームシアター京都での上演風景 © ダムタイプ 写真:福永一夫 写真提供:ダムタイプ

2018年には、ポンピドゥー・センター・メッス(フランス)で、その後2019年から20年にかけ東京都現代美術館で個展「DUMBTYPE | ACTIONS+REFLECTIONS」を開催。そして2022年には新作パフォーマンス《2020》をロームシアター京都で制作するなど、各展示、作品が大きな話題を呼んできたダムタイプ。今回の新作には世界からどのようなリアクションがあるのか、期待が高まる。

新作のためのコンセプトイメージ © ダムタイプ 写真:福永一夫+ダムタイプ 写真提供:ダムタイプ

第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館

コミッショナー:国際交流基金
アーティスト:ダムタイプ (プロジェクトメンバー:高谷史郎、坂本龍一、古舘健、濱哲史、白木良、原摩利彦、泊博雅、南琢也、空里香、高谷桜子 ほか)
会場:日本館(ビエンナーレ会場のジャルディーニ地区内)
会期:2022年4月23日〜11月27日
日本館オープニング:4月20日 14:30〜(イタリア時間)
特別助成:公益財団法人石橋財団
https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/j/

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