公開日:2022年10月27日

ダムタイプの帰還。ヴェネチア・ビエンナーレ出品作がアーティゾン美術館で公開

アーティゾン美術館で来年2月25日から5月14日まで

「ダムタイプ|2022: remap」展キーヴィジュアル

ダムタイプの最新作が日本初公開

東京・アーティゾン美術館「ダムタイプ|2022: remap」展が開催される。同展は、アート・コレクティブの先駆とも言えるダムタイプが、今年開催された第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館で発表した展示の日本バージョン。音楽家の坂本龍一を新たなメンバーに迎えて作られた新作《2022》の国内初公開の機会となる。会期は2023年2月25日から5月14日まで。

ダムタイプ 2022 撮影:高谷史郎 © ダムタイプ 提供:国際交流基金

ヴェネチアでの新作を日本バージョンとして新たに再配置して作るという《2022》は、2000年代後半より、ダムタイプの中心メンバーである高谷史郎と幾度となく作品を作り続けてきた坂本龍一が、初めてダムタイプメンバーとなって制作にかかわった作品。

本作のために作られたサウンドトラックに加え、坂本の呼びかけに応えて世界各地でフィールドレコーディングされた音が、ダムタイプの視覚言語を通じて出力され、その場に立って各人が耳を澄ませることの意味、機械を通じた知覚のあり方を浮き上がらせる。また1850年代の地理の教科書から引用された普遍的な質問のテキストが、独自のレーザー装置で壁に投影されたり、デヴィッド・シルヴィアンカヒミ・カリィらによる朗読の音声によって周囲を取り囲み、見える/見えない、聴こえる/聴こえないの境界線上で表現される。

ダムタイプ 2022 撮影:高谷史郎 © ダムタイプ 提供:国際交流基金
ダムタイプ 2022 撮影:高谷史郎 © ダムタイプ 提供:国際交流基金

ダムタイプは、活動初期よりテクノロジーと身体の関係に鋭い問いを投げかけながら、パフォーマンス、造形美術、インスタレーションのあいだの越境、協働的な関係性を示してきた。今回の新作でも、これまで作ってきた作品が構成要素の一部となり、より大きな世界観を示すことに成功している。ダムタイプの最新型であると同時に、かれらのこれまでの歩みを包摂したアーカイブでもあるような作品を堪能したい。

ダムタイプ Trace/React Ⅱ 撮影:福永一夫 © ダムタイプ
ダムタイプ Playback 撮影:高谷史郎 © ダムタイプ

第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

会場:アーティゾン美術館6階展示室
会期:2023年2月25日〜5月14日
開館時間:10:00〜18:00(5月5日を除く金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日:月

https://www.artizon.museum/

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