
会場風景より、フィンセント・ファン・ゴッホ《ポプラ林の中の二人》(1890、シンシナティ美術館蔵)
アメリカ・オハイオ州にあるシンシナティ美術館が145年にわたり築いてきたコレクションを紹介する展覧会「シンシナティ美術館展~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~」が、2027年1月10日まで上野の森美術館で開催されている。
本展では、コロー、クールベ、セザンヌ、モネ、ルノワール、ゴッホ、ピカソ、モディリアーニ、シャガールらによる絵画作品をはじめ、ドガやジャコメッティなどの彫刻作品を含む、計84点を展示。そのうち81点が初来日作品で、時代を超えて受け継がれてきた表現の数々に出合える。

1881年に創立されたシンシナティ美術館の7万点を超えるコレクションは、特定の人物からの大規模な寄贈によって築かれたものではなく、市民たちが資金を持ち寄り、少しずつ形成してきたものだ。今回出品される作品の多くも、20世紀半ばに地域社会に貢献した女性美術収集家たちから寄贈された。
プレス内覧会には、シンシナティ美術館学術連携・研究担当ディレクター兼ヨーロッパ絵画・彫刻・素描担当キュレーターのピーター・ジョナサン・ベルが登壇し「今回、シンシナティ美術館の改修をきっかけに、コレクションを館外に出すことが実現しました。歴史を追っていけるような構成の展覧会を通じて、私たちのコレクションが、ヨーロッパの美術の歴史を様々な観点から物語ってくれていることを感じてほしいです」と語った。その言葉の通り、会場にはアカデミスム、バルビゾン派、印象派、ポスト印象派からキュビスムまで、19世紀初頭から20世紀半ばにかけて活躍した作家たちの作品が並ぶ。ヨーロッパ近代美術の変遷を体系的に知ることができる、まさに「教科書」のような展覧会だ。
