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おとぎ話に息づく「モード」の視点を読み解く展覧会「おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE」が千葉市美術館で開幕した。会期は8月30日まで。
時代や地域を超えて語り継がれる「おとぎ話」は、妖精や魔法使い、森、変身といったモチーフを通して、文学のみならず、挿絵、舞台芸術、デザイン、ファッションなど多様な視覚文化に影響を与えてきた。なかでも『赤ずきん』の赤いフードや、『シンデレラ』のガラスの靴、『長靴をはいた猫』のブーツなどの装いは、登場人物の代名詞ともなり、その世界を視覚的に表現する重要な要素となっている。

担当学芸員の山下彩華は本展を、「おとぎ話を読むのではなく、装いから“見る”展覧会」と語る。ここではおとぎ話を、昔話や民話、神話、伝説、寓話、童話も含む広義の物語としてとらえ、挿絵本や出版文化が大きく発展した19世紀から20世紀を中心に、そのイメージがどう視覚化され受容されてきたかを辿る。当時ヨーロッパで花開いた挿絵本を中心に、版画や衣装など181点が展示される。
山下は「かつて口承で伝えられてきたおとぎ話は、視覚化されることで豊かなイメージを形成してきた。時間、性別、階級、文化、美意識といったあらゆる境界を軽やかに横断し、そのイメージは舞台芸術やファッションへと広がりながら新たな解釈を生み出している」と話す。おとぎ話の視覚表象や受容史を研究するなかで、装いが物語のイメージ形成において果たす役割に関心を持ったといい、「装いという視点を軸に、おとぎ話のイメージがどのように生まれ、広がり、受け継がれてきたかをあらためて見つめたいと思った」と企画の背景を明かした。