作品も建築も空間も。子供の視点で美術館をまるごと楽しむ、東京国立近代美術館「Family Day こどもまっと」2026 レポート

東京国立近代美術館(MOMAT)の親子向けイベント「Family Day こどもまっと」が今年も開催された。子供の美術館デビューにもぴったりな本イベントの様子を担当者の言葉とともにレポート(撮影:鈴木渉)

「Family Day こどもまっと」2026 会場風景

東京国立近代美術館で、10月8日~16日に、子供と一緒に美術館を楽しむ「『Family Day こどもまっと』2026」が開催された。

今年で3年目になるこのイベントは、Adobe Foundationの支援のもと、全国6つの国立美術館で実施している「Connecting Children with Museums」の取り組みの一部として開催されている。

対話鑑賞プログラム、美術館をまるごと楽しむ探検プログラム、絵本の読み聞かせなど、子供と一緒に美術館を楽しめる工夫に満ちたイベントをレポートする。

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ガイドスタッフとおしゃべりしながら絵を鑑賞しよう「MOMATコレクション発見隊」

東京国立近代美術館の入り口に到着すると、前庭でピクニックシートを敷いてくつろぐ、親子連れが目に入る。いつもと違う雰囲気を感じながら、展示室で開催されている「MOMATコレクション発見隊」へ。MOMATガイドスタッフ(美術館ボランティア)と一緒に、おしゃべりをしながら作品を見ることができる。

美術館の前庭では自由に使えるピクニックシートも用意

14000点を超える美術館コレクションから年3、4回ペースで開催される所蔵作品展「MOMATコレクション」。「こどもまっと」に合わせて、3階10室では、特別企画「“物語を「みる」”」(9月29日~2027年1月11日)が開催されている。

「子供たちやその保護者、美術をこれからもっと知りたい一般の方の入り口になれるように企画しました。『サロメ』や、昔話の『かちかち山』などの物語や民話が背景にある作品、物語を感じられる作品を選んでいます」と語るのは、東京国立近代美術館教育普及室長の端山聡子。

前田青邨による《かちかち山》(1947)の絵巻には、オノマトペがマンガのような吹き出しで添えられている
「MOMATコレクション発見隊」の様子。子供たちが鑑賞しているのは、芥川(間所)紗織《神話より》(1956)

「ぐるっと見て、気になる作品があったら教えてね」というガイドスタッフの声掛けに、子供たちが見つけたのは、藤田嗣治《ラ・フォンテーヌ頌》(1949〜60)、《動物宴》(1949〜60)。子供たちの目線に近い床には、様々な動物たちの足跡が貼ってある。

左から、藤田嗣治《動物宴》(1949-60)、《ラ・フォンテーヌ頌》(1949-60)

展示室内には、物語のあらすじ、絵からイメージされる言葉など、鑑賞の入り口になる仕掛けが散りばめられている。

足跡は「ここから先に入ってはいけないよ」という鑑賞マナーを学ぶサインにもなり、動物たちが絵の中に入っていくという想像を膨らませる手がかりにもなる。

足元には絵の中の動物が外に出てきたかのような足跡が

「なんか美味しそう」「これきもちわるーい!」など思い思いにおしゃべりしながら、絵を楽しむ子供たち。大人たちも絵を見ながら言葉を交わし、展示室は穏やかな雰囲気に包まれている。

「MOMATコレクション発見隊」の様子
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